どうも、ヨウ-Pです!
今日は漫画「ヘルプマン!」を読んでこれからの介護がどうあるべきかを考えてみました!
前回、漫画紹介の記事を書きました👇
そこでも少し触れましたが、介護の漫画と言えば『ヘルプマン!』が真っ先に浮かびます。
主人公の恩田百太郎は、典型的なキラキラ系介護士といってよいでしょう。
『じっちゃん、ばっちゃんのため!』と母性のみで走り回るような介護士です。
で、そんなキラキラ系介護士のままではうまくいかず、もがき苦しむ姿が描かれています。
今回は『ヘルプマン!』を通してキラキラ系介護士について考えながら、組織の話に広げていきたいと思います。
※キラキラ系介護士とは、脳内がお花畑のような介護士のことで現実を無視して綺麗ごとを言うタイプのことを指すようです。
百太郎は必要悪!?
百太郎のスタンスは『じっちゃん、ばっちゃんがかわいそうじゃねぇ~か!』です。
身体拘束はかわいそう。
恋ができないのはかわいそう。
施設に入るのはかわいそう。
ですが、介護の現実は、『そうは言っても仕方ない』が結構多いものです…。
あきらめですよね。
人手もない。
人も育たない。
できるわけない。
それに、じっちゃん、ばっちゃんだけの問題では解決できないから、答えが出しにくいんですよね。
もし、百太郎のような介護士が介護現場にいたら、『ヘルプマン!』で描かれているように周囲から総スカン食らうでしょう(^^;
でも、百太郎は最終的には皆に受け入れられていくんです!
残念ながら…、漫画だからです(-_-;)
現実はそんなことなんてありえない話なわけですが、私としては一人や二人ぐらいはキラキラ系介護士が現場にいてもよいと思っています。(百太郎ほどの介護士はキツイかもですが・・・)
できれば、百太郎ぐらいの年齢のまだまだ社会の現実を知らない純粋な若者がいいですけどね(^^;
その若者が純粋な疑問をチームに投げかけるわけです!
さほどキラキラしてなくてよくて、思ったことが言えればそれでも十分です!
ところが、介護現場の実態は、若者であっても、新人職員に最初から現実を突きつけていくような指導になってしまうことが多いです。
若いころから現実の教え込みはいらないと思うのです。
新人のうちだからこそ、突拍子もないこと言っても許されるわけで、既存のルールを無視したような思い付きを言ってもらったほうが組織は活気づきますし、業務改善のきっかけにもなります。
新人職員の育成は自由な発想でキラキラしてもらうところから始め、そこから継続できる介護にしていくにはどうすればよいかを考える現実思考を教えていけばよいかなと思っています。
ティーチングで教え込むより、コーチングで思いや考えを引き出すことを意識した関わりが先です。
何も分かってないんだからティーチングでしょ!?
そんな声が聞こえてきそうですが、真っ白なところに最初に教え込みすぎると、新人職員はそこしか見えなくなってしまうことが多いですから。
それと、介護の仕事の場合は『生活』を対象にした仕事なので、未経験であっても新人職員の真っ白な頭のなかに答えがあるようなことも多いので、コーチングが最初から使えることは多いと感じています。
そうしていくと、新人職員はキラキラしたことを言いはじめます。
そこで先輩なり上司が、同じようにキラキラしてたらダメなだけの話です。
先輩や上司は、新人職員のキラキラした発想を、仕事として継続できるように、チームとして実践できるようにしてあげなくてはいけません。
元キラキラ系介護士たちが、キラキラした発想に理解を示しつつ、それを実現することの難しさをしっかりと教え込み、無理を承知で失敗させるも良し、あきらめても良しのスタンスで現実と向き合わせていけばよいんです。
『ヘルプマン!』では、神崎仁の存在がちょうどそんな感じですね。
とにもかくにも、新人職員のうちはキラキラさせておいて、徐々に現実と向き合わせていくほうがよいと思います。
神崎仁の存在は必要不可欠!
理論派の神崎仁のような人間だけで介護をしたら、どんな介護になるんでしょうか?
アセスメント力もあり、マネジメント力もあり、コミュニケーション力もある。
それだけじゃなく、適切な介護を継続していけることが重要であることやその難しさを知っている。
真正面から突き進んでも解決しないこと。
根回しが必要なこと。
自分たちを守ってくれる法令のこと。
これらは社会福祉士脳あるいはケアマネ脳だと思っています(全員ではないと思いますが・・・)。
介護福祉士の方でも、そういったスキルをお持ちの方もたくさんおられて、そういう方が介護現場にいるとベストですよね!
ところが、そういう人材はどうしても生活相談員やケアマネジャーといったポジションに就いてしまい、介護現場に神崎仁タイプが少ないのが問題なのでしょう。
そうなると、介護現場を離れた神崎仁タイプのケアマネジャーや生活相談員がどういった形で介護現場と関わるかを考えるしかないと思うんです。
相談員として適任!
…でも介護主任としても力を発揮しそう?
…ならば、どちらも半々でしてもらおうか?
…どこまでなら兼務できる?
…みたいな感じで、神崎仁タイプに可能な限り任せてしまいましょう!
ここまでを読むと、神崎仁が完璧のように思えますね(^^;
でも、こんなタイプばかりでは介護はうまくいかないんです。
そこが、チームで介護することの難しさです。
身の丈に合った柔軟な戦略的人事が必要!
『ヘルプマン!』を読んでて、神崎仁みたいなタイプめんどくさいって思う人もいると思うんです。
そういう人は神崎仁タイプに嫌悪感しかなかったりすると思います。
いろんな価値観を持った人が利用する側にもおられて、神崎仁タイプに嫌悪感持つようなじっちゃん、ばっちゃんが相手となると、たぶん神崎仁タイプではどうしようもないと思うんです。
それはどんな仕事でも一緒です。
だから、企業はいろんな個性ある人材を採用するわけです。
大切なことは、神崎仁タイプをどう使うか、百太郎タイプをどう使うかですね。
これはもう経営側の仕事です。
介護業界はますます人材難になっていくなかで、どんなタイプの職員をどのように使うかを戦略として考えていくしかないですし、すべては経営側の仕事です。
管理者や主任といった中間管理職を任せられる人材が今の組織にいなければ、そこを育てるしかありません。
でも、中間管理職の教育って、多くの施設が疎かなんです。
経営側が育てることもしない結果、管理者や主任が責められるような光景があるんですよね…。
それは明らかに間違いです。
管理者や主任という役職を受けた職員は、受けた以上の責任は一定生じると思います。
でも、そんなことは二の次です。
一番の問題は、経営側が任命したことの責任を感じているかどうかなんです。
経営側がリーダー育成を怠ってきた結果、中間管理職を担える職員がおらず、管理者や主任の抜けた穴に時期尚早の職員が大抜擢されたり、経験の量だけでベテラン職員が選ばれたりしてしまうわけです。
そんなどうしようもない現実が介護業界には多いんです。
そんな現実を受け止めざるを得ないなか、やるべきことは身の丈に合った組織作りしかないですし、それが一番質を落とさない方法だと思うんです。
そんなふうに考えていくと、これからの介護事業の運営は、今いる人材をその時々で最大限に活用する柔軟な戦略的人事が重要になってくると思います。
登用する人材によって、今の主任の役割を変えてしまうようなこともすべきだと思います。
とりあえず今を乗り切ることも考えながら、自分たちの施設の今を知りながら、身の丈に合った戦略でコツコツと階段を上がっていくしかありません。
それができるのは、間違いなく神崎仁タイプの経営者です!
まとめ
漫画「ヘルプマン!」を読んだ介護関係者の感想は様々です。
どんな漫画も好みがあるので仕方ないことですが、私としては、介護のことを考えるきっかけになる面白い漫画だな~と思っています。
今回の記事では、介護経営につなげてみましたが、「結局はどんなタイプも使いよう」ってことだと思うんです。
経営側が望むような人材が揃うようなことは、どの施設でもきっとありえないと思います。
なので、その施設の既存の役割に当てはめていくような経営手法では絶対うまくいきません!
今いる人材のなかで、どの人材をどのポストに充てて、どんな役割を任せるかということを、現実に合わせて柔軟に変えていくしかないんです!
神崎仁タイプのような理論派や恩田百太郎のようなキラキラ系介護士も使いようです!
さて、皆様はどんなタイプで、どんな役割を任せられたら力を発揮できますか?
皆様の施設では、どんな人事戦略ならうまくいきますか?
一度考えてみてはいかがでしょうか?