どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)です!
今回は、長湯好きの高齢者が安全にお風呂に入って満足していただけるヒントをお届けします!
高齢者って長湯好きな方多いですよね?
10分、20分…と経過していくと、介助者としてはドキドキすることもあると思います。
今回の記事は、そんなときの「介護にまつわる小さな引き出し」です。
長湯はよくないのか?
お風呂好きで長湯になりがちな方への声かけ。
— ヨウ-ℙ (@s_y_prince) 2018年11月29日
『そろそろあがられますか?』と声をかける前に『もうちょっとつかってですか~』などyesと言えるような声をかけておくと早めにあがってもらえやすく、お互いに気持ちよい。#介護にまつわる小さな引き出し
長湯好きな方に長湯にならないための工夫についてツイートしたわけですが、そもそも長湯はダメなのでしょうか?
まずは、こちらの記事をごらんください👇
安全な入浴のためには、湯温41度以下で、10分未満を目安とする
お風呂好きの日本人にはなかなか厳しいハードルですよね…(^^;
きっとお風呂好きの介護士さんの本音からすれば、「利用者さんにゆっくり浸かってほしい」という気持ちにもなると思います。
とはいえ、こういった目安があちらこちらで提示されているなかで、事業所としての危機管理は考えざるをえないところだと思います。
なんせ、上の記事にも書いてありますが…、
入浴中の事故死の数は年間約1万9,000人に上る。入浴中の事故死は冬場に多く、全体の5割が12月から2月にかけて集中している。入浴中の事故は、ほとんどが浴槽内で起きており、熱い湯に肩までつかるという入浴スタイルが影響しているとみられている。
お風呂はそれだけリスクの高い場所であり、長湯というのは死にもつながりかねない行為なわけです。
だからと言って、毎回早めに上がってもらう声かけをすることで満足できない入浴にしたくないですし、気持ちよくお風呂に浸かってほしいですよね…。
10分間の駆け引き
10分間でどうやってお風呂を満足してもらえるかを考えることが最善ということが分かりました。
では、前述のツイートの解説をしていきたいと思います。
10分経つまでに『どうですか?もうちょっとつかられますか?』と“イエス”で答えられる質問を投げかけるわけです。
これをイエスセット話法と言います。
イエスセット話法についてはこちらをご覧ください👇
では、質問を投げかけるまでの間は、どのようにお風呂につかってもらったらよいんでしょう?
せっかくのお風呂、いろいろおしゃべりして楽しい時間を過ごすのがよいんでしょうか?
お風呂でのおしゃべりが好きな方はそれでよいかもしれませんが、ここでは長湯好きの方にできるだけ満足して短めに入浴を楽しんでもらうことを目標にしていますので、別の方法を考えます。
それがこちらのツイートです👇
長湯好きの方に気持ちよく早めにあがってもらう方法。
— ヨウ-ℙ (@s_y_prince) 2019年1月27日
お風呂は利用者さんと話せる時間だったりするものの、『お風呂は一人でゆっくりするもん』と割りきって、離れてそっと見守る。
そのほうが時間が長く感じられるので、しばしの沈黙の後に以下対応すればよい。#介護にまつわる小さな引き出し https://t.co/67k1QhaliF
話はせずそっと見守る!
楽しい時間はあっという間と言いますが、おしゃべりを楽しんでおしゃべりにあっという間を感じてもらっては、お風呂の時間が長くなってしまう可能性があるというわけです。
沈黙で時間を長く感じてもらう
というわけで、お風呂につかって時間を長く感じてもらうには沈黙のほうがいいということが見えてきました。
退屈な講義などは時間が長く感じるのと一緒ですね。
時間がどのぐらい経ったか気にしては、全く時間が経っていなかったりするんですよね(^^;)
こんな記事を見つけました↓
この記事にこんなふうに書かれています。
時間の経過に注意が向けられる頻度が高いほど時間がより長く感じられるのです。逆に,時間の経過に注意が向けられる頻度が低い場合や,時間の経過以外の事柄に注意が向けられる場合には,時間は短く感じられます。
沈黙のほうが時間の経過に注意が向けられやすいわけですから、沈黙は時間がより長く感じられるということです!
というわけで、心理学的に根拠のある対応で、なるべくお風呂を長く感じてもらいましょう!
代謝で時間を長く感じてもらう
一方で、楽しい時間は短く感じます。
ん?
沈黙でもお風呂好きな人はお風呂につかる時間が楽しいんではないんですか??
だとしたら、お風呂を楽しんでる時間があっという間なんじゃないの??
確かに、沈黙でお風呂を楽しんでもらって、楽しい時間をあっという間に感じて長湯になってしまうという捉え方もできますね。
さきほどの記事でこんなことが書いてありました。
感じられる時間の長さに影響を及ぼす要因には身体的な代謝を挙げることもできます。同じ長さの時間であっても,代謝が激しいときには長く,逆に代謝が落ちているときには短く感じられます。
つまり、例えば好きなスポーツをしていて楽しくても、身体的代謝が激しければ時間を長く感じうるということです。
もう分かりますよね!
お風呂は代謝が激しいものですよね。
お風呂が好きで楽しくても、代謝が激しいお風呂は時間を長く感じうるということなのです。
介護士よ!ソクラテスになれ!
なるべくお風呂につかる時間を長く感じてもらったら、いよいよ“イエス”で答えられるよう『もうちょっとつかりますか?』を投げかけるのです!
先ほど紹介したイエスセット話法ですね!
イエスセット話法については、ソクラテスも使っていたようです。
こちらの本にこんなことが書かれています👇
はじめに”イエス”と多くいわせればいわせるほど、相手をこちらの思うところへ引っ張って行くことが容易になる。
人を説得する天才、ソクラテスのやり方です。
最初は否定していたことを、最終的には肯定させてしまう!
“イエス”と答えられる質問で、『まだ風呂上がらん』が『ほな上がろか』になるわけです。
『この人分かってくれてるわ~』という安心感を抱かせるんでしょうね(^^)
介護士はソクラテスになるしかありませんね!
まとめ
長湯の方の場合はリスクを考えて『湯温41度以下で、10分未満を目安』とし、まずはこの記事にある心理学的テクニックを試みてみましょう!
それでも、なかなかお風呂から上がってもらえないケースはあるかもしれませんが、やってみる価値はあると思います!
皆様、利用者さんにはできれば気持ちよく入ってほしいですよね?
気持ちのよくなる介護がしたいですよね?
そして、できることなら安全にお風呂を楽しんでほしいですよね?
きっと答えは“イエス”なはずです。