どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!
前回の記事で、介護現場の電話対応の準備編を書きました↓
今回は「実践編」ということで書きたいと思います。
電話の実践例
前回の記事同様に「尿失禁が続いていて綿パンツから紙パンツに変えることを伝える」電話をすることにしてみましょう。
前回の記事をもとに以下のような準備をしたとします。
①アセスメント内容
⇒尿失禁はトイレに行くが間に合わず失敗が1日1回程度、本人は紙パンツ希望であることを確認した。
②ご家族との情報共有状況
⇒ご家族には尿失禁について全く情報共有できていないことを確認した。
③ご家族の意向
⇒ご家族の排泄についての希望は「なるべく紙パンツは使いたくない」であることを確認。
④ご家族との関係
⇒ご家族とは自分が担当であることは伝わっている程度の関係。
①~④の準備が整ったら、最後に話の組み立て方を考えていきます。
⑤話の組み立て
⇒①~④を踏まえると、電話の内容はこんな感じになります↓
Aさんの担当させてもらっていますヨウ-Pと申します。
ちょっと相談したいことがあるんですが、お時間よろしいですか?
こんにちは。
大丈夫ですよ。
何かありましたか?
ご利用されてから特に変わりなく過ごされていたのですが、最近トイレが間に合わず失敗されることが1日1回程度ありまして・・。
え?
そうなんですか??
Aさんとしては紙パンツにしてほしいと言われているんですが、ご家族さんとしてはできるだけ紙パンツは使いたくないご意向だったと思うので相談させていただこうと思いまして。
そうでしたか。
ありがとうございます。
紙パンツはできるだけ使いたくないんですけど、どうしたもんですかねぇ?
トイレが間に合わないということなので、早めにトイレに声かけさせてもらうという方法もあるので、それで様子を見ながらとは考えているんです。
どうしても無理な場合は紙パンツも検討しないといけないかもなのでそれでもかまいませんか?
こんな感じの電話対応の流れになります。
では、いざ実践となった時のポイントをまとめておきたいと思います。
ポイント1:基本マナーでハートをキャッチ!
お時間よろしいですか?
これはもう鉄板で使った方がいいです。
電話のマナーではあるんですけど、先輩もここを教えてくれないことは多いと思うのであえて触れました。
この一言でだいぶ相手の印象が変わります。
ポイント2:アセスメント結果を分かりやすく整理!
アセスメント結果の重要なポイントを整理して、なるべく簡単に状況と対応案を伝えます。
アセスメント結果を整理すると・・・
・1日1回程度トイレに間に合わず失敗
・本人紙パンツ希望と言われている
・前もってトイレの声かけで失敗を防げるかも
このぐらいの情報で十分です。
要は5W3Hが基本です。(When、Where、Who、What、Why、How、How much、How many)
上記のように、メモでいいので簡単に整理しておけば、話しやすいと思います。
青字がアセスメント内容で、赤字が対応案です。
対応案は、アセスメント内容がちゃんとしていれば根拠のあるプロとしての対応案が出せるはずです!
アセスメント次第で分かりやすく伝えることができるということですね。
ポイント3:伝えるつもりだったことが、アセスメントによって変わったことに気付く!
電話するにあたって、準備をする前は紙パンツに変える方向でした。
準備段階で、アセスメント等の確認をした結果、紙パンツは時期尚早となったので、伝えるべきことが変わりました。
このことにしっかりと気付くことが重要です!
最近失禁多いんで電話しておいたほういいですよね。
紙パンツに変更せな仕方ないですもんね。
家族にそのように伝えておいたらいいですよね!
こんな感じで電話してしまうことが多いんです…。
こう伝えると、電話対応はきっと失敗に終わっていました…。
それが、アセスメントをしっかりと行うことで、伝える内容が劇的に変わり成功につながるわけです!
これって、実はとても貴重な体験なわけです。
ところが、多くの人は、成功してしまうとアセスメントによって伝えることが変化したことを意識せずに進んでしまうので、せっかくの貴重な体験が「何となくうまくいった」程度で終ってしまいます。
なので、「電話をする前にアセスメントをして準備をした結果、伝えることがどのように変わったのか」をしっかりと分析しておくことをオススメします!
この記事を読まれている方はきっと電話をする前にアセスメントされると思います。
そうすると、電話対応に失敗をしにくくなって成功する可能性がグンと上がります!
成功すると、「なんで成功したのか」を考えないことが多いので、ぜひともこの分析がするようにしてくださいねってことです!
「失敗は成功の元」と言われるように、失敗した方が次に生かせます。
成功しても、次に生かせるようにしておきましょう!
ポイント4:今後を見据えた可能性の話もできたらベスト!
「トイレに前もって声をかける対応」がうまくいかず、結局は紙パンツになる可能性もあります。
そのことを予測しながら、紙パンツの可能性もあることをしっかりと伝えておきます。
そうなったときに次の電話対応をしやすくするためです。
介護は常に「予後予測」をしながら備えておくことが大事なんですよね!
「予後予測」もアセスメントしておくことをオススメします!
ポイント5:ご家族の意向を大切にしているメッセージでご家族との関係づくりを意識する!
ご家族との関係づくりを意識することは大切です。
ご家族の意向についてもちゃんと確認しながら進めてますよというメッセージが伝わるようにします。
事前に聞いていたご家族の意向も、状況によって変わることもあれば、単純に時間の経過のなかで変わることもあります。
事前に意向を聞いていたからそれで終わりではなくて、その都度ご家族に意向の確認をしていくと言うだけでも、ご家族の意向を大切にしていることは伝わります。
ご家族の意向が「お任せします」であっても、意向の確認は都度すべきです!
そうすることで、ご家族の意識も変わってくることがあります。
最初に聞いたご家族の意向は、何もわからないなかで応えておられることが多いですが、介護が進んでいくなかで状況をご家族に都度伝えていると、ご家族も「分かる」ことが増えていきます。
そうすると、お任せだったご家族でも、「家族としての思い」が引き出されることもあるわけです!
そうした意識での電話対応を心がけていると、ご家族との関係は必ずよくなっていきます!
電話対応がうまくいく鍵はアセスメント
結局はこれが一番重要です↑
アセスメントはやはり重要なのです(^_^)
アセスメントについてはこちらの記事でも書いています↓
アセスメントをしっかりしておくと話せる材料が増えます。
不意に聞かれたことにも答えることができることが増えるはずです。
後は、アセスメントした内容をできるだけ簡単にわかりやすく伝えること。
例えば、「失禁」という言葉は使わずに、「トイレに間に合わず失敗」と伝えるほうが具体的ですし、何より利用者さんには専門用語を使わないようにすることが基本なわけです。
それに「失禁」という言葉を使わないことで、利用者さんへの配慮を感じてもらえるという効果もあるのです。
「失禁」という言葉って配慮がないことに気付かないといけません!
家族さんが面会に来られた時に、職員がこう伝えたらどうでしょう?これを見てどう感じるかです↓
息子さん!
Aさんついさっき失禁されてたので、オムツ変えておきましたんで~(^_^)
まとめ
前回に引き続き、介護現場での電話対応について書きました。
いかがでしたでしょうか?
電話対応は20年経った今でも緊張することがあります。
でも、相手のことをよく知っていると大概のことは乗り越えられるようになりました。
とはいえ、この先、団塊の世代の方が介護サービスを利用される側になられると、これまで以上にシビアな現実が待ち受けていると言われています。
もうすでに、ご家族の層がクレバーな方が多いですから、電話対応も頭を使いますね(^_^;)
新人の頃から鍛えておくほうがよいです。
電話対応は場数を踏むことが一番の成長だと感じます。
今回の記事が、皆様の電話対応の助けになれば嬉しく思います!