どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!
介護現場の問題の一つ、人間関係。
介護労働安定センターが平成29年度に実施した「介護労働実態調査」によると、介護職を辞めた理由は以下のとおり。
1位:人間関係 20.0%
2位:結婚・出産・妊娠・育児 18.3%
3位:理念・運営のあり方への不満 17.8%
人間関係で辞める職員がいかに多いことか!?
最近では辞めるまで至らずとも、「どこに行っても一緒か…」というあきらめの境地で仕事をし続け、職場の士気が下がっていくこともあるようです。
どうあれ、組織全体が「人間関係」の現実と向き合わないと、これから先経営は成り立たなくなると思います。
介護サービスの質の良し悪しは、働く職員の質そのものが直接影響するといっても過言ではありません。
人材育成の取り組みを見直したりすることも勿論大切ですが、人間関係の問題って職員のモチベーションに結構影響するもので、職員・チームの質を落としてしまいます(-_-;)
私の中で一番面倒なのは、職員間の不満の言い合い、噂、陰口・・・といったもの。
そのあたりにポイントを絞って、私の実践例をもとに記事を書きたいと思います。
今回の記事は、管理者やリーダーの視点で書いています。
愚痴・不満はまず受け止める
Aさんは仕事は確かにできてですけど、利用者さんにきつくないですか!
Bさんに仕事頼んだら嫌な顔されるので、やりにくいです!
あっちで不満、こっちで不満ってなったり・・・
一人が攻撃の対象となったり・・・
さまざまな人間関係の問題が介護現場にはあると思います。
大体の不満は、他の職員の欠点や短所などの「悪いところ」を言っています。
不満を聞いてて「確かにそうやな・・・」と思うことは結構多いんですよね(・.・;)
でも、最近は人材育成において「褒めて伸ばす」ということが強調されることが多く、“ダメなところは直す必要はない!”とまで言われることもあります。
だから、「悪いところばかり見とらんと、良いところもあるやろ~?」なんてことを言ったりするわけです。
そうなると、愚痴・不満を言っている職員は、「この上司全然分かってへんわ~(-_-;)」って思われて終わりですよね・・・。
私としては、愚痴・不満をまずは「現実かもしれない」と受け止めるようにしています。
なぜなら、その人のなかでは「現実」なわけですから受け止めるしかありません。
そのうえで「私も気づいてないこともあるかもしれないので確認してみます」と伝えておくのです。
職員:不満・愚痴
➡️私:まず受け止める
➡️職員:安心
➡️私:現状把握
まずはこの流れが大事だと思っています。
このことは以前の記事の中でも書いています↓
ちなみに、愚痴・不満はその人のなかでは『現実』だからまず受け止めるという考え方は認知症ケアと一緒です。
認知症の方の世界の現実を見ようとすることができていれば、職員の愚痴・不満の受け止めも簡単かもしれませんね。
不満や愚痴に隠れている人間の本能
前述のとおり、最近は「褒めて伸ばす」という考え方が主となっています。
それ自体は間違いではないですが、チーム全体を考えたときにはそれだけでは絶対に無理です。
それはなぜでしょうか???
簡単な心理テストをしますね。下の絵を見てください↓
この二つの◯。どこが気になりますか?
絵が下手くそなところが気になります!
そこは気にせんとってください(笑)
赤丸のへこんだところが気になりますよね。
人間は通常の姿から足りないところが気になる生き物なのです。
人間の欠点や短所も気になってしまうんです(*_*;
「悪いところは無理に直す必要はない」と言われることがよくありますが、同じ目標を持つ集団(すなわち組織)のなかに属した時点で何らかの協働作業が生じると、人は無意識にそれぞれの欠点や短所を見てしまいます。
「悪いところを見るな」と言われても本能的に無理なので、そんなこと言っても人の悪いところを見ちゃうんです。
特に組織のなかでは、人の悪いところを指摘するような愚痴・不満は仕方ないことだと捉えるしかないというのが私の答えです。
・・・ここまでの記事を読んでいると、愚痴・不満ばかり言う人を擁護しているかのように見えてしまうかもですがそうでははいんですよ(^_^;)
私も愚痴・不満ばかり言う人が苦手な時期はありましたし、どう頑張っても愚痴・不満はなくならなくって、この思考にたどり着いたんです。
愚痴・不満が仕方ないのなら、どうするかを考えたほうがいいと切り替えたわけです。
愚痴・不満からの現状把握
さて、愚痴・不満を聞いたら、そこはいったん受け止めてから現状把握をしていきます。
この現状把握の行動がとても大切です。
自分の目・耳で確認するということです。
聞いていた愚痴・不満どおりなこともあれば、「そう見えるのも仕方ないか・・・」程度のこともあります。
「その職員の見方」と「現実」にズレがあれば、その職員への確認⇔現状把握を繰り返して、なるべくズレをなくしておくとよいと思います。
そして、これが一番大切!
ちゃんとその他の職員の声も聞くということです。
そんなふうにして、チームの現状の把握だけでなく、職員一人ひとりの現状の把握もしていくということです。
まとめ
そこまでする時間がない(+o+)
・・・って声が聞こえてきそうですけど、どうにもしがたい人間関係を修復するためにはこの方法しかないかな・・・と思っています(^_^;)
ここまでだけでも大変そうですが、まだこの記事は現状把握の段階なのです(^_^;)
とはいえ、離職防止や職場の士気を高めるという成果が得られるのであれば、やむを得ないのでは・・・というのが私の考えです。
人間関係なんてすぐに解決は無理ですし、ここに書いた内容も、できることから少しずつでも十分変わってきますので、ぜひ第一歩を歩んでみられてはと思います。
勿論、こうした取り組みは、組織全体として仕組みを作ったうえで取り組んだほうが確実です。
管理者やリーダーらの一人の力だけでは難しいとは思いますが、「やってみよう!」と思われる方はやってみる価値は十分にあると思います。
一人の力でできないこともありませんので・・・。
なんせ、管理者やリーダーは「まずは受け止める」力は必要不可欠です。
「何言うとんねん(-_-;)」って受け止めずにいたら、実は事実やった・・・みたいな経験ないですか?
利用者さんのことだけでなく、職員のことも「まずは受け止める」です!
まずは受け止めて現状把握できたら、次は「課題分析」ですね。
では、興味のある方は次回更新予定の「愚痴・不満からの課題分析の巻」も読んでやってくださいm(__)m