どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!
こちらの記事の続きです↓
引き続き、管理者やリーダーの視点で書いています。
職員:不満・愚痴
➡️私:まず受け止める
➡️職員:安心
➡️私:現状把握
➡️私:課題分析
次のステップは「課題分析」です。
愚痴・不満を聞くだけならまだ簡単ですが、そのままにしておくと何も変わらないので何か行動していくことが大切です。
ケアプランと一緒で、「課題分析」をすること。
アセスメントですね。
ただ、愚痴や不満のなかには、「聞いてほしかっただけ」というものも含まれるので、そのあたりはしっかりと見極めながら進める必要があると思います。
これって結構難しくって、何もしなければ「何もしてくれな~い!」って言われ、何か進めようとすると「ただの愚痴やのに~!」と言われたりすることも多々あります(^_^;)
そのあたりを見極めるためにも、この課題分析まではしておいたほうがよいと思います。
まぁどうやっても言う人は言いますけどね(^_^;)
では、前回の記事の「愚痴・不満」をもとに、どのように「課題分析」すればよいかのポイントを書きたいと思います。
事例検討:「私語が多い」Bさん
人間関係における愚痴・不満をもとに、現状把握、課題分析をしていきます。
事例はこちら↓
職員A「Bさんは私語が多い!Cさんとしゃべってばかりで困ります!」
良くあるケースの一つではないでしょうか?
現状を把握・分析しながら、その解説を加えていきます↓
5W3Hで問題の程度や原因を分析
①Bさんは、昼食介助の時間にCさんとの私語が多い。他の職員もBさんとCさんの私語は多いと思っているけど、みんな私語はそれなりにあるからそれほど気にしていない。Aさんは私語をほとんどしないから、私語が多い人が気になるのでは?Bさんの私語だけ気になるのは、Bさんのことで他に不満があるからでは?
➡️Bさんの私語の現状について「いつ、どの程度、どのように、なぜ」といった5W3Hの視点で具体的に把握していきます。Aさんだけが感じていることなのか、他の職員も感じていることなのかという視点も大切で、Bさんの私語がチームのなかでどの程度問題となっているかを客観的に把握します。利用者目線という視点で捉えてみるのも大切かと思います。
あとは、それらの情報をもとに原因を分析。いろんな視点で「なんで?それはなんで?それはなんで?」となんでマンになれば、原因となりうるものが見えてきます。
「部下から聞いたこと」から「上司が感じたこと」への転換
②私としてもBさんは私語が多いと感じる。指導はした方がいいかもしれないとも思っている。ただ、他の職員も課題があるので、Bさんの問題とだけ捉えるのはよくないと感じる。
➡️上司としての私の捉え方を整理します。部下からの愚痴・不満を「部下から聞いたこと」として進めていくことは言うまでもなく危険です。部下は本当は言いにくいことを上司に言っています。上司が部下をチクリ扱いみたいにすることはよくありません。これからも現状を教えてもらえるようにしておくためにも、上司自らが感じたこととして捉えなおすことが必要と思います。部下からの愚痴・不満は上司が気づくことが出来たきっかけにすぎないと捉えます。
上司の捉え方としては、Bさんだけが本当に悪いのかと疑問視する必要があります。1人の職員だけが問題視される状況が生まれないようにしないといけません。これは絶対に必要。他の職員だって、私語以外の何かしらの課題があるはずです。「言い方がきつい」「仕事が遅い」「愛想が悪い」・・・などなど。皆それぞれに課題があるのに、Bさんの課題だけ取り上げるのはどう考えてもおかしいですよね。
「良いところ」を見ることを忘れない!
③Bさんは、気づきも多く自主的に動くことが多い。
➡️Bさんにどれだけ悪いところがあったとしても、Bさんの良いところもちゃんと見てあげることは大切なことです。それができてなければ、部下から「悪いとこしか見てないやん!」と思われてしまいます(^_^;)日頃からちゃんと部下のことを見ている上司は、部下から信頼されます。部下のほうが上司のことチェックしてますから(^^;
愚痴・不満を聞いた上司がよくやってしまうミスは、信用している部下が愚痴・不満を言ってきた場合に、そこに完全にのっかってしまうこと。「悪いところ」ばかり一緒になって見てしまうんです。信用している部下の愚痴・不満だからこそ、慎重に聞くようにしましょう。
「個」の課題から「チーム」の課題への転換
④他の職員はBさんと比べると私語は少ないけど、言葉づかいや関わりが消極的などの課題がある。Bさんだけの問題ではない。チーム全体にある課題を一つ一つ何とかしなければ・・・。
➡️Bさんの課題をきっかけとして、全体の課題にも目を向けます。どの職員も欠点や短所の一つや二つ持っていますから、何か課題があるはずです。今回の場合は「私語が多い」という接遇の問題なので、チームとしての接遇の課題を整理しておくと良いと思います。「カテゴリ」を絞ったほうが整理しやすいですし。そんなふうにしていくと、Bさんの課題をチーム全体の課題として捉えなおしていくことができます。
課題解決の難易度をチェック!
⑤私語はどこまでを私語とするかの線引きも難しいし、どの程度私語がなくなれば納得できるのか?目標設定が難しい。私語でなくとも、接遇は線引きも目標設定も難しい。「私語をなくしましょう」って言ったとしてもなくなるわけがないな・・・。
➡️「私語」の問題視する程度って難しいです。おそらく私語はゼロにはなりません。まずは課題を完全に解決することは不可能と捉えます。簡単に「私語をなくしましょう」なんて言うのは非現実的です。もちろん、私語だけでなく接遇という課題は本当に難しい。特に介護現場での接遇の難しさは多くの施設が頭を悩ませておられることと思います。そう捉えると、今回のような「私語」「接遇」の問題は、問題をゼロにできないのであれば現実的な「落としどころ」を考えておく必要があります。「この時間の私語を減らしましょう」「私語をするときは利用者さんを巻き込みましょう」といった感じです。目標設定はどんなことでも必要なのです。もし、この時点でかなり難しい課題だということであれば、愚痴を言ってきた職員は「ただの愚痴やのに~」のパターンと捉えるべきことなのかもしれません(^^;
まとめ
今回の記事では、職員の愚痴・不満から課題分析の方法を事例を通して書いてみました。
特に今回取り上げた接遇ってチーム内でもめるんですよね(^_^;)
愚痴・不満のほとんどが、対利用者または職員同士の接遇のことではないでしょうか?
接遇の問題は、ほとんどがその人の性格に起因していることが多いので、変えにくいものであり、「仕方ない」となってしまって人間関係の問題は一向に解決しないパターンが多いのです。
でも、組織のチームの長が「個」の課題を「個」の課題としてではなく「チーム」の課題として捉えるようになると、それだけで変わってくるんです。
「個」の課題は、「個」がチームの中のさまざまな環境の影響を受けて、「個」が良くない状態になっていると捉えるとよいと思います。
認知症ケアと一緒ですね(^^)
BPSDが人的・物的環境が原因となって現れるもので、環境次第でBPSDを軽減することができるってことと考え方は一緒です。
※BPSDとは、認知症の行動・心理症状で、徘徊や暴力等のこと。
長くなりましたが、こんなふうな思考で上司が立ち振る舞えるようになったら、100%とはいきませんが、確実に「個」の意識が「他者」ではなく、「個」であり「チーム」に向かい始めると思います!
ぜひ、『課題分析』をやってみてください!
ということで、「愚痴・不満から現状把握」➡️「課題分析」と進めてきて、「チーム」の課題、「チーム」のなかでのそれぞれの「個」の課題が見えてきたところで、いよいよ「面談」です。
次回、「愚痴・不満きっかけの面談テクニックの巻」。