どうも、YO-PRINCEです。
前回の記事では、「朝替えたばっかりのキレイな紙パンツを午前中にお風呂に入った後に替えるかどうか」というネタで、価値観を広げることが大切ということを結論付けていました。
まずは、前回記事。こちらです↓
チーム全体の価値観が乏しければいい介護はできません。
ですが、介護現場では、価値観の広がりがなぜか停滞していることが多くあります。
それをツイッターでのアンケート調査を行うなかで感じることが出来ました。
価値観の広がりどころか、気づきは失われ、言いたいことも言いにくいようなチームになっていく・・・。
なぜそうなるのか??
気になった二つの心理行動について分析しながら、気づきを奪わない対策を提案していきたいと思います。
気づきを奪うもの
気づきを奪う二つの心理行動。
どうもそれらが価値観の広がりを邪魔しているように感じています。
一つが、「私だったらこうしてほしい」の思考。
介護現場ではよく使われる言い回しですね。
決して悪い言い回しではないとは思うんですが、そうきっぱりと言われちゃうとどうも次の会話につながりにくいような。。。
気づきをブロックしてしまうような印象を受けています。
二つ目が、同調行動。
これはまさに人間の心理行動で、無意識に周りに流されてしまうようなことが介護現場ではよく起こります。
気づきがあっても、黙らせてしまうような感覚がありますね・・・。
気づきを邪魔しているこれら二つのものを取り除けば価値観広げられるということじゃないか?
ということで、取り除いてみましょう!
「私だったらこうしてほしい」の思考が邪魔をする
主語が『私』になっている
この思考は多くの人が陥りやすい心理的な罠だと思っています。
自分のことで言えば罪がないので、使いやすい言い回しだと感じています。
それに自信を持って言えます!
今回のツイッターでのアンケートは特に条件はつくっていなかったので、多くの人が「私だったら」で答えてくださったのではと思います。
このアンケートに何か条件を持たせていれば結果は変わっていたかもしれないなと感じています。
実際の介護場面での「私だったら」のやりとりを例にあげて見てみましょう。
👨入浴後にきれいな紙パンツ更新する?
👳私だったら替えてほしいので替えます。
👨そうですか。私だったら替えないですね~。
介護においては、よく「利用者さんの立場に立って」という言葉が使われます。
「私だったら」は、利用者さんの立場には立っているようで実は完全に「私」が主語です。
私が(利用者さんの立場)だったら・・・という感じです。
私の価値観を言っているにすぎません。
なので、上の会話のように、それぞれが異なる価値観を言い合って、「それで?」みたいな空気になっちゃって終わりです(^_^;)
主語が『利用者』であるべき介護
見出しのとおりですが、介護においては常に主語は利用者なのです。
前述のとおり、「私だったら」は主語が「私」なので、主語が「利用者」に言い換えなくてはいけません。
いったいどうなるんでしょう?
👨私は利用者さんはこうしてほしいと思っていると思います。
👨私は利用者さんはこうされるのはイヤだと思っていると思います。
こんな感じです。
「利用者」が主語となる文章を「私メッセージ」で伝えると心地良く伝わりますね。
もし「私だったら」の意見に違和感を感じたときは、こんな質問で主語を「私」から「利用者」に置き換えてもらいましょう。
利用者さんはどう思っているんやろうね?
この質問があれば、「私だったら」の意見も修正できるので、ぜひ使ってみてください。
補足:私メッセージとあなたメッセージ
せっかくなので「私メッセージ」についても触れておきます。
これはコミュニケーションスキルの一つで「あなたメッセージ」を「私メッセージ」に言い換えるとよいと言われています。
紙パンツのネタで例をあげてみると・・・
👳あの利用者さんは紙パンツを替えてほしいんです!
これが「あなたメッセージ」ですね。
これは完全に決めつけなわけですが、「あなたメッセージ」はそうなりやすいんです(^^;
たまにこういう介護士さんおられますね。。。
一方で「私メッセージ」は前述のとおりで聞いていて心地よい!
「あなたメッセージ」で言われた時は、こう言い放ちましょう!
あなたはそう思うんですね。私はこう思うんですよ。
相手の「あなたメッセージ」を「私メッセージ」で言い換えてあげて、さらに私の「私メッセージ」を伝えるのです!(←なんか言い回し難しくなっちゃました・・・すみません)
同調行動が邪魔をする
気づきを黙らせてしまう・・・、「同調行動」です。
⬆️同調行動について分かりやすくまとめてあるのでこちらの記事をご覧ください。
同調行動とは、周囲の行動を基準にして自分の行動を決めてしまうもの
前回記事にあるツイートのなかにある2つのツイートに注目してみます。
『世間体で更新している』
『替えるのが普通になっている』
こういうことが介護現場では起こっていると思います。
離職理由の上位に人間関係があがってくる業界ですから、やむを得ず「同調行動」で成り立っている場面はたくさんあると感じています。
『世間体で更新している』というのは、やっていることに疑問を感じながらそうしているということで、これは有意識な状態で同調しているということになります。
この場合は、価値観を理解しあえる場があれば、何かが変わりうるのかなと感じます。
『替えるのが普通になっている』というのは、場合によっては無意識な状態かもしれません。
皆がやっているから疑問も生まれないままにそうしているということであれば、まさに『同調行動』です。
理由が分かっていないということはチコちゃんに怒られるパターンです(^_^;)
こんな感じです↓
とにもかくにも、やはり根拠を知りながら仕事がしたいものです。
入浴後の紙パンツの例で言えば、キレイな紙パンツを入浴後に替えなければいけない根拠ってあるんでしょうか?
おそらく明確な根拠はないのでは・・・と感じています。
衛生面で言っても、見た感じキレイな紙パンツを5時間程度の時間の経過のあとの入浴後にそのまま履くことの感染リスクがどれだけあるのかというのは感覚でしか言えないでしょうし・・・。
なので、しっかりとチーム内で価値観を理解しあって、何を重視するかを考えながらどう対応するかを決めていけばよいのかなと思います。
今回の入浴後の紙パンツのことは一見しょーもないことですが、そこにはいろんな価値観が存在していました。
しょーもないことであっても立ち止まって、それが単なる同調行動になっていないかを確認するということで、いろんな価値観との出会いにつながることがあります。
そうすれば自分の成長にもつながるし、チームの成長にもつながります。
少しでも疑問を感じたら↓
これってなんでこうしてるんでしたっけ?
チコちゃん風の質問です!
これで「同調行動」の呪いが解かれるかもしれません!
ぜひやってみてください!
まとめ
今回の記事は、もしかしたら介護業界以外でも使える内容になっているのではと思います。
チームは同じ考えの人材が集まっているより多様な人材が集まっているほうが大きな力になる可能性を秘めています。
その分大変ですけどね(^_^;)
今回書いた質問力を身につけやってみることで劇的にチームが変わることもあります。
1人ではしんどいので、出来る限り同志を見つけながら、同調圧力に負けないように取り組んでみてください。
多数派が正しいか少数派が正しいか。
そんなことは置いておいて、少数派が声をあげられるようなチーム作りは絶対大事!
この記事に書いたようなちょっとした修正で「声なき声」を拾い上げていきましょう!