どうも、YO-PRINCE です。
介護といろんなことをコラボさせて介護の世界を広げていこうみたいなイメージで始めたこのブログ。
コラボを意識するようになったきっかけは、人材育成のなかでの“比喩”でした。
比喩に使ったのは『スーパーサイヤ人』です。
くだらないようなテーマですが、真剣に書いてみます。
コラボを意識したきっかけ
ユニット型特養にいた頃の話です。
介護士の育成、主にユニットリーダーの育成を担っているなかで、コーチングについて勉強したことがありました。
リーダーとしての力をどう育てるか、どう引き出すか。
いい介護をしていこうと思えば、現場の介護士を育てなければ・・・
現場介護士を育てようと思えば、ユニットリーダーを育てなければ・・・
ユニットリーダーを育てようと思えば、私が育たなければいけない。
ところが、簡単に育てると言っても、介護現場はストレスにあふれ混沌とした状態に陥っていることが多い。
人材育成をしていく上では、部下・後輩の理解は当然必要不可欠なことですが、理解ばかりでは育成にならない。
どれだけストレスのかかっている状態でも、どこかで厳しい指導をしてかなければ、質の向上など無理な話。
とはいえ、介護士を追い詰めることはしたくない・・・。
どうすればよいか、そんな悩みのなか一つの方法にたどり着きました。
それは“比喩”で話すということ。
それが、コラボを意識しはじめたきっかけです。
“比喩”で話すことでほぐれる心
“比喩”で話すとはどういうことか?
これは、あるコーチングの本からの学びでした。
ひどく落ち込んでいる相手には“比喩”で話そう
出展元:図解きほんからわかるビジネスコーチング
ユニットリーダーは日々の介護や人間関係において疲弊していました。
この状態を放っておくと、負の連鎖が生まれます。
現場の介護士の不平不満が増大していくのです。
ユニットリーダーは、部下でもあるメンバーと同じ介護業務をしながらリーダーとしてチームをまとめていかなければいけません。
どの組織においても、上司への不平不満はよくあることではありますが、介護のような感情労働におけるプレイングマネジャーの姿は時として「残酷」なほどです。
いくら頑張っても部下からの要求に追われ、日々の介護業務にも追われ、その上に上司からの要求にも追われるとしたら、救いようがないと思います。
こうした問題を放置しつづけた先に、虐待が潜んだりしているのです。
疲弊したユニットリーダーをそばで見ながらも、ユニットに変革を生むにはユニットリーダーに変化を求めていかざるを得ないのです。
それが私の仕事でした。
ひどく落ち込んでいたり、イライラしているような状態に追い込まれているユニットリーダー。
そんなユニットリーダーに“比喩”で話すという方法は、私の胸にすっと落ちました。
精神的に追い込まれた状態の人に理詰めすることは不適切であることは言うまでもありません。
十分に頑張っている彼らに、正面突破するなんてことはできるはずもないのです。
“比喩”で話すという方法を使って、枠の外側で話をするのです。
例えば、私があるリーダーにとった対応はこんな感じ。
そのリーダーはとても頑張り屋さんで利用者さんのことがとても大好き。
だからちゃんと介護したいのですが、周囲の職員のスキルが追い付いていなかったりして、皆に求めても周囲の理解が得られなかったりする中でイライラが募り、周囲に悪影響が出始めてしまうようなことがありました。
まずは、リーダーのイライラの実態を把握し、リーダーの置かれた状況をしっかり理解することから始めます。
これはどんなときも心がけていたことで、何においても現状把握からのスタートだと思っているので自然とやっていることです。
それがないと、部下との信頼関係なんて作れないですし、そんな人間の言うことなん聞いてくれるはずももないですから。
そうした関係のうえで、“比喩”を使うわけです。
そのリーダーは同世代であったこともあって、共通の話題を持ちやすかったことから、私が選んだのは「ドラゴンボール」でした(^_^;)
使ったワードは「スーパーサイヤ人」です(-_-;)
「スーパーサイヤ人」を共通言語にしたアプローチ
そのリーダーのイライラした状態を「スーパーサイヤ人」にたとえたんです・・・。
それだけ聞くと、「追い込まれた人間になんてこと言うんだ!」と怒られそうですが、日頃から種まきはしておいたのです。
軽度のストレス状態のときから、「なんか髪の毛黄色なってません?」みたいなやりとりをしていたわけです。
「なってないですよ(笑)」みたいなやりとり。
そこは一つ「ユーモア」という要素も取り入れながら“比喩”を使ったのです。
日々の関係から、このリーダーがどの程度の冗談なら受け入れられるのかみたいなところも感じ取りながら接していたからこそ成せる技なのかもしれません。
正直なところ、いよいよかなりのストレス状態のときに言わなければいけないと思ったときは、“賭け”なところもありました。
人の心なんてわかるはずもないわけですから。
それでも行動に移せたのは、日々構築してきた信頼関係のベースがあったからこそとは思います。
どうあれ「スーパーサイヤ人」の比喩は大成功で、そのリーダーがイライラした様子が感じ取れたときには、「スーパーサイヤ人」を言葉に出すと、プッと吹き出してしまって心がほぐれつつ、感情の安定にもつながります。
リーダーの感情が安定すればユニット全体の安定にもつながるというわけです。
コラボでいったん枠の外へ
一つの問題で煮詰まってストレス状態に陥っているときは、辛さや怒りの感情にこそ重きを置いたほうがよいと思います
“比喩”は、どういう内容の比喩であれ、相手の感情を理解しようとする配慮が読み取れます。
その比喩が、相手の理解しやすいストライクゾーンで、思わず笑みがこぼれるようなユーモアが存在していれば、相手は受け入れやすかったりします。
怒りや辛さの感情の枠の外側で話をする感じでしょうか。
これは、よくよく考えると認知症ケアにもよく使う手法です。
帰宅願望のある方に、その感情の枠の外側で話をしたりしますよね。
『家ってどこでしたっけ?○○なんですか!ええとこですねー!』
みたいなやりとりですね。
感情の枠の外側で話すことって実は一杯してると思うんです。
枠の外側で話すと、正の感情が取り戻せたりもして、なんならイノベーションが起こせそうなアイデアをも産み出す力があるように思うんです。
ドラゴンボールだけでなく、対象者によっては野球を使ったり、サッカーを使ったり、漫才を使ったり、いろんなものとコラボしながら、部下指導をしたり、介護のことを話したりしてきました。
ストレスとは向き合っていかなければいけない仕事だけに、比喩力あるいはコラボ力はとても重要だと感じています。
感情の枠の外側に導いて、ちょっと気持ちを落ち着かせながら、なんなら楽しい気分にさえなりながら、言いにくいことをもさらりと言えてしまうように。
このスキルを身に付けておけば、人材育成、チーム育成につながるとともにストレスマネジメントも平行して行えるわけです。
まとめ
比喩力のことを私はコラボ力と呼ぶことにしました。
以前の記事↑で書いたように補色の関係のコラボが一番刺激的なんでしょうが、そんなコラボはたまにしか出会えないでしょう。
でも、どんなコラボも誰かにはヒットしたりもするものです。
だから、このブログはいろんなこととコラボさせて『わかりやすい!』と思える記事がひとつでも見つけてもらえたらいいなと思っています。
また、このブログを見て、『あの部下にこのコラボ使えるなぁ』という感じで、人材育成に活用してもらえたら嬉しいですね。
介護に学びは欠かせませんが、学びが苦手な人もたくさんいます。
そんな学びが苦手な人でも、この内容なら入っていけるって記事が書きたいなという秘めたる思いがあります。
このブログは、そんなチャレンジブログなのです。
最後に記事中でご紹介した『図解きほんからわかるビジネスコーチング』という本、とても分かりやすくオススメです。
特に字ばかりの本は苦手という方はぜひ!

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