どうも、YO-PRINCEです。
今回はシンプルに『排泄』について。
介護現場での排泄ケアの実際を何回かに分けて書いてみます。
考え方としては施設でも在宅でも同じことなので、在宅介護をされているご家族にとっても参考になるように書きたいと思います。
まずは『排泄基本編』です。
排泄ケアは介助するだけじゃない!?
排泄ケアとはどんなことを浮かべますか?
👨オムツ交換です!
ん~、そうですね。一番にオムツ交換を思い浮かべる方は多いと思います。
オムツ交換とは何かと言うと、オムツのなかに失禁があるかを確認して失禁がある場合にオムツを交換するというものです。
つまり排泄後のケアということになります。
単なる排泄後の後始末というわけです。
私たちが本当にすべき排泄ケアは排泄後の後始末ではありません。
もちろんオムツ交換も大切な排泄ケアではありますが、最終手段にすぎません。
その前にすべきことは、やはりトイレで排泄してもらうということなのです。
しかも一人でトイレに行ってもらうのです。
トイレに一人で行ける環境にこだわる!?
皆様はトイレに一人で行かれますか?
できることなら誰にも見られたくないですよね?
排泄行為というのは見られたくない行為です。
なので、まずすべき排泄ケアは「1人で安全にトイレに行ける環境作り」ということになります。
ポータブルトイレの設置
1人でトイレに行けるのであればポータブルトイレも活用すればよいと思います。
今はポータブルトイレも重みがありしっかりしたものが多いですし、便座の高さ調整ができるものや、肘掛けが着脱可能なものもあります。
ポータブルトイレの安全な設置環境は以下の通り。
①ポータブルトイレをベッド横の足元側に動かないように設置。
②ベッドとポータブルトイレの高さを合わせる。
③ベッドには介助バーを取り付ける。
④高さは座位で足底が床につく高さ。
⑤床が滑りにくいように滑り止めマットを敷くなどの工夫。
安全を考えるとやはりポータブルトイレが一番良いと思います。
なんせ、立位不安定であれば下衣類の上げ下ろしって難しいですからね(^_^;)
家(または施設)のトイレにこだわる場合も安全重視
ポータブルトイレがどうしてもイヤということであれば、トイレまで安全に移動できる環境を作ります。
歩いて行くならトイレまでの導線に手すり等を設置するか、安全な歩行補助具を使用します。
車イスなら段差等をなくしたり、スロープをつけたり、トイレの出入りができるようにする必要があります。
這ったりいざって移動するのが一番安全ならそれもよいでしょう。
※いざる:お尻を下につけたまま進むこと
その場合は、トイレまで行ったら床からの立ち上がりが安全にできるような環境作りが大切です。
ちなみにトイレに手すりをつける場合は、家であれば使う人に合わせて取り付けることをおススメします。
また、立位等が不安定な方はにはファンレストテーブルという面で支える手すりもありますので、いざという時のために頭の片隅に置いておきましょう。

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こんなところにも潜んでいるトイレのリスク
上記のとおりトイレ環境を整えていけば安全かというとそうではありません。
なかにはどうしようもない環境もあり、そこに転倒リスクが潜んでいます。
例えば、トイレと横の壁の距離。
この距離が離れすぎていると、手すりを持つにも遠くなりますし、座位姿勢に壁側への傾きがあれば転落のリスクがありますよね。
あと、便器の高さが高すぎて足が床につかないことによって座位姿勢が不安定になることがあります。
小柄なおじいちゃんおばあちゃんだと普通の高さでも高すぎたりすることがあります。
トイレ環境にはどうしようもない様々なリスクが潜んでいることを知っておくと、足台を置いて足が床に着くようにしたり、壁と便器のすきまを何かで埋めるようにしたり工夫できることがあります。
そんなふうにして安全なトイレ環境にこだわるのです。
まとめ
今回は『排泄』の基本編ということで書きました。
排泄は本来一人で行う見られたくないものであるため、まずは一人で安全にトイレに行ける環境作りをすることが基本です。
環境作りも立派な排泄ケアなわけです。
それでも『介助』が必要となった時に、次なる段階を考えていくということですね。
次回「トイレ誘導編」で、次なる段階について書いていきたいと思います。