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【生活重視】サルでも分かるケアプランでチームを動かす!

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どうも、COMMENTがあればCHECKするYO-PRINCEです。

『介護のA to Z』シリーズです。

今回は介護の『C』で、CARE PLAN(ケアプラン)です。

2000年の介護保険制度開始とともにケアプランという言葉が全国に普及しました。

いまや介護現場ではメジャーな共通言語となっていますが、どこまでケアプランが有効に機能しているのか・・・。

ケアプランは生活を守るための軸となるものであり、介護保険制度下では欠かせないわけですが、主役である利用者が見て分からないケアプランでは意味がないですよね。

利用者が見ても分かるケアプランにするにはどうしたらいいのでしょうか??

ケアプランをライフケアプランと捉えてみる

ケアプランは在宅であれば「居宅サービス計画書」、施設であれば「施設サービス計画書」のことを言います。

ケアプランを直訳すれば「介護計画」となります。

どういった介護サービスを計画していくか、どういった介護を計画していくかというイメージが強くなりますよね。

そうしたことも影響してか、どうしても「ケア」を先に考えてしまいがちなところがあります。

お風呂に1人で入れないから、通所介護や訪問入浴介護で入浴してもらおう。

トイレに1人で行けないから、定時にトイレ誘導をしよう。

1人で何もしないで過ごす時間が多いから、余暇支援をしよう。

一見正しいことのように思えますが、「ケア」しか見えてきません。

私たちの仕事は、その人の生活を知るということが一番大切なことで、そのうえでの「ケア」のはずです。

大事なのは生活であり「ライフ」なのです。

「CARE」についての議論

英語の「CARE」については、その意味についてこんな議論があるようです。

英語の "care" には、弱者、患者、障がい者の世話をして「あげる」といった強者からのサービスという含みがあり、アメリカの障害者福祉の領域では care を嫌って attendant service(付き添い)という表現を用いる場合があるほか、看護においても care giving や caring といった表現が使われる。日本では、外来語のケアという表現が適正か否かの議論は特にない。

 ※ウィキペディア「ケア」より抜粋

日本語においての「ケア」も、もう少し議論があっても良いのではと思います。

もしかしたら私の知らないところではあるのかもしれませんが・・・。

「言葉」が変われば「行動」が変わる

日本においては「ケア」という言葉は定着しているので、「ケア」という言葉は使うとすれば、私としては「ライフケアプラン」あたりがしっくりくるのかなと思います。

「ライフ」を先に見たうえで「ケア」を考えるというメッセージを込めています。

どんな言葉を使うかについては「あまり意味がない」という意見もあるようですが、「言葉」が変わると「行動」が変わることがあるので、私としては「言葉」は重要と考えています。

「認知症」のことを「ニンチ」と言うのはどうか?

「徘徊」という言葉は使わない方がよいのか?

「入所者」というより「入居者」といったほうがよいのか?

言葉による影響について考えることで、その言葉の持つ本来の意味が理解でき、その先に私たちのしている行動の「根拠」が見えてくるものです。

「ケアプラン」という言葉についても、その意味を今一度見つめ直し、本来私たちがするべきことを考えるということは大切なことだと思います。

そして、自分なりのオリジナル言語でよいので、「ケアプラン」を捉えなおしてみましょう。

「ライフケアプラン」「シニアライフプラン」「くらしサポートプラン」・・・。

何だっていいと思うので、ケアプランの本来の目的を確認できるような言葉を見つけてみましょう!

生活課題の具体化でよりよい生活をイメージする

ここからはあえて「ライフケアプラン」という言葉を使っていきます。

ライフケアプランでは、「ケア」に注目する前に「ライフ」に注目します。

注目したライフを「ライフケアプラン」に落とし込み、その人の生活が見えるようにする作業をします。

例えば「家でお風呂に入れない」ことに困っている方がおられるとします。

よくあるケアプランでは「デイサービスでお風呂に入りましょう」「訪問介護でお風呂の手伝いをしてもらいましょう」となっていると思います。

その前にその人にとっての「お風呂」が生活のなかでどうなのかをアセスメントのなかで導き出していていきます。

一番はその人の言葉で書くことが一番分かりやすいのですが、その言葉を導き出すには「質問力」が問われるとともに、その人の課題を整理していく力が求められます。

そうしたスキルを駆使しながら、利用者の生活課題を分かりやすく具体的にしていきます。

生活課題が具体的に表現できてくると、同時に生活がよりよくなるイメージが広がっていくものです。

例えばこんなふうに・・・↓

例①今は家での入浴は無理でも家での入浴を望んでいるケース

生活課題「家でお風呂に入るのは今は無理だけど、浴槽の出入りさえできれば家のお風呂も入れると思うのでそこを目標にしたい。」

今は家での入浴が無理でも、こうしたら家のお風呂に入れるかもしれないという部分を導き出していきます。

そこの実現可能性が低くても、その思いがあるのであれば、そこは取り上げてライフケアプランにあげていった方がよいと思います。

浴槽の出入りができるようになるためのリハビリを取り入れたり、リハビリの導入までは無理であってもデイサービス等で浴槽のまたぎ動作の体操を取り入れてもらうぐらいか可能かもしれません。

例②家で1人での入浴をしたいけど転倒の不安を口にされるケース

生活課題「1人で家のお風呂に入りたいから、安全に入れるようにしてほしい。転倒の不安はあるから転倒防止のためにリハビリは頑張っておきたい。」

家でお風呂に入れるように環境を整えていくことはよくあることだと思います。

ただ、そこに転倒の不安があるのならそこもライフケアプランで取り上げてあげたいところです。

その不安を取り除くためのサービス導入が見えてきます。

デイサービスでお風呂に入ってもらって、入浴動作が安全かどうかをチェックしてもらっておくだけでも目標に対してのサービス導入の意味が大きくなります。

例③家族に迷惑をかけたくないから入浴だけでもお世話になりたいケース

生活課題「人の世話にならんと家での生活はできない。家族になるべく迷惑かけないようにお風呂だけはお世話になりたい。トイレや着替えなどのできることは自分でできるようにしておきたい。」

家族に迷惑をかけたくないという思いはよくありますが、そのために自分で頑張りたいことと、サービスに頼りたいこととを明確にして、頑張ってもらう部分を少しでもライフケアプランに取り上げていくという姿勢はとても大切なことだと思います。

なかなか難しいことが多いかもですが、頑張れる部分については些細なことでもよいと思います。

座って食事をすることでも十分です。

座って過ごせる時間が少しでも長くなるようにという目標が見えてくれば、その先にできることも見えてくる可能性があります。

そうやって明るい未来が少しでも見えるようなライフケアプランにしたいものです。

アセスメントについてはこんな記事を書いています。

参考程度にご覧になってください↓

チームを動かすライフケアプラン

ライフケアプランはチームを動かしていくものです。

在宅でも施設でも一緒です。

となると、在宅チームあるいは介護現場のメンバーが分かるようなプランでなければなりません。

前述の入浴を例にあげれば、すべて在宅を例にあげたものですが、サービス事業所で取り組むべきことが見えやすいと思います。

入浴のどこに困っていることがあって、どこに目標とすべきことがあるのかが分かれば、サービス事業所で具体的な計画書の立案が可能になっていくと思います。

デイサービス、訪問介護、訪問看護等のサービス事業所は、ライフケアプランに基づいてそれぞれの事業所ですべきことを計画作成するわけです。

これがただの清潔保持のための入浴となってしまうと、ただ単に入浴してもらうのみです。

その目標のゴールは清潔保持でしかなく、入浴した時点でそのサービス事業所の作成した計画書は常に達成している状況になってしまい、チームは動かせません。

施設の場合も同様です。

清潔保持だけが目標であれば、それは本来個別のライフケアプランで取り上げるようなものではないはずです。

当たり前のことだからです。

大好きなお風呂を楽しんでもらえるようにするのであれば、施設の入浴介助マニュアル+αのケアをしていくことになると思います。

少しでも長湯を楽しんでもらえるための工夫や、より安全に安心して入ってもらえるような工夫が必要な場合があると思います。

長湯については例えばこんな感じです↓

入浴+αの部分が見えてくれば、介護現場も動き始めるはずです!  

利用者および家族の力を奪わない

 利用者の力を奪わないことは当然のことですね。

そのためにも、利用者自身に頑張ってもらうことをライフケアプランに明記しておくことはとても大切なことだと思います。

良く忘れがちなのが、家族の力なのです。

在宅の場合は、家族にしてもらうことを明記できるケースは多いと思いますが、それでも家族の言いなりプランのような事例は多いようです。

在宅以上に問題なのは施設の場合です。

以前こんなツイートをしたことがあります。

こういったことをライフケアプランに位置付けて、家族の役割をしっかりと伝えておくというのも一つの方法かと思います。

施設に入られたからと言って施設が全部するわけではなくて、家族の力が欠かせない場面は実際多いものです。

もちろん家族関係は様々であり、家族の力を求めていくためには慎重さが必要となるケースが多いことに留意しておく必要はあると思います。

実際のところは難しいケースも多いと思いますが、常にケアの選択肢として「家族の力」を置いておくこととで道が開けることも多いものです!

誰でも理解できるライフケアプラン作成のヒントはブログにある!?

最後に言いたいことは、「誰でも理解できるライフケアプラン」が必要ということです。

これはとっても難しく、おそらく多くのケアマネジャーが苦労されているところだと思います。

利用者自身が理解できればければ意味がないですし、チームが動けるような具体的なものでないと意味がありません。

ライフケアプランを見る対象は素人からプロまで様々です。

専門用語を使わないように、なるべく具体的な文章にしながら長文にならないようにしたり、かつ、目標が明確になるように・・・。

ケアプラン作成は、施設と在宅の両方でしてきましたが、正直私の中でも最後まで試行錯誤でした・・・(^_^;)

時々、これはいいのができた!ってことがありましたが、まぁ稀です(^_^;)

何か一つでも誰でも理解できるライフケアプラン作成のポイントをあげるとしたら、ブログのタイトルや見出しを考えるような感覚でしょうか?

これは私も未だに苦手なのですが、それが手に取るようにできるようになったらケアプラン作成の腕も上がるのかなと感じています。

そういう意味ではライフケアプランにも分かりやすいタイトルや見出しがあってもいいのかもしれませんね。

まとめ

以上、介護の「C」、CARE PLAN(ケアプラン)でした。

私のこだわりたいケアプランは、まずは生活をちゃんと見るライフケアプランです。

そして、誰が見ても分かるようなライフケアプランで、利用者自身が意欲を持て、チームも動けるようなプランです。

これは本当に難しいことですが、こだわり続けたいところであり、その方法を分かりやすく文章化できたら、いつの日かもう一度記事を書いてみたいと思います。

今後はケアプランもAIの力を借りることになっていくと思います。

ある程度の道筋をAIがしてくれるだけでも、ケアプラン作成に少しは余裕が出てくるかもしれません。

そうなれば、もっと「生活」を捉えたケアプラン作成が可能になるかもしれませんし、そのときこそライフケアプランと呼びたいものですね。

 

では、次回は介護の「D」、Dementia(認知症)で介護のこだわりを記事にしたいと思います。

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