どうも、YO-PRINCEです。
介護に求められる理念の一つに自立支援があります。
排泄自立とか入浴自立とか簡単に言ってますが、自立って実はそんな簡単じゃないんですよね(^-^;
実は人間の生活動作はいろんな動作の組み合わせで、動作をかなり細かい細分化できます。
移乗動作だけでも簡単に考えてこんな感じ↓
①立つ②移る③座る
①立つ③座るはできるけど、②移るができないのなら、②移るの部分だけ介助が必要ということになります。
今回は生活動作のなかで「排泄動作」を細分化してみたいと思います。
利用者さんの排泄動作を思い浮かべながら、どこが出来るのか、出来ないのかを考えてみていただければと思います。
トイレに座るまでにする動作
排泄動作は、まずトイレに行きたいと思ってトイレに向かおうとすることができるかどうかから始まります。
認知症の方の場合は、トイレに行きたい感覚が、「ウロウロ」や「そわそわ」、あるいは「イライラ」だったり、他の表現になってしまうこともあるので、トイレに向かおうとすることができないことがあったり、トイレの場所が分からないということがあります。
排泄の初動の段階で、選択肢は・・・
①トイレに自分の意思で行ける
②トイレに行きたいことがトイレの場所が分からない
③トイレとの認識ができない
ここが最初の分かれ道で、トイレに行くことを決めて、いよいよ排泄動作へと移ります。
では、トイレに向かいましょう!
①起き上がる
②立ち上がる
③トイレまで移動は歩く
トイレに行くと決めてからトイレに行くまでの動作を3つに細分化しました。
これらの動作は、環境によって出来るかどうかが変わってきます。
①起き上がる、②立ち上がるはベッドからなのか、床からなのか?
③トイレまでの移動は、距離はどの程度なのか、外まで出ないといけないのか?
在宅の場合は、トイレまでの環境は様々で、各々に排泄動作は異なるということが見えてきます。
これらの動作はできない場合に、動作が変わってきます。
歩けばければ、トイレまで這ったりいざったりされる方もおられると思います。
車イスを使われる方もおられます。
ベッド横にポータブルトイレを置かれている方もおられるでしょう。
このようにして、まずはトイレに行くまでの動作が出来るかどうかを見ていくわけですが、「環境」の影響を大きく受ける工程であり、ある環境では自立されていても、環境が変わると途端にできなくなるといったことがあることが予測できます。
トイレ環境についての記事、良ければついでにご覧になってください。
トイレでの動作
さて、トイレに着いたら何をしますか?
トイレに座る?・・・その前にすることがあります。
「トイレの扉を開ける」です。
これは引き戸か開き戸かによって、しやすさが変わってくると思います。
手前に開く扉の場合は、開けるときに少し後ずさるような動作が必要になります。
さて、次はどうしましょう??
・・・そう!「扉を閉める」です!
1人なら開けっ放しって人もいるかもですが、通常は閉めますよね。
開けて閉める・・・結構高度な動作ですよね。
ようやくトイレの中に入りました(^_^;)
次は??
スリッパを履く!
トイレットペーパーなかったら補充する!
トイレまわりが汚れていら掃除する!
トイレが流れてなかったら流す!
なかなかトイレに座れませんね(^_^;)
スリッパを履くのもちょっと危ない動作ですね・・・。
トイレットペーパーも保管場所によっては交換するのは高度な動作かもしれません。
トイレまわりは床の汚れなのか便座の汚れなのかによって変わってきます。
トイレが流れていないことは、施設の場合だとたまにあるので確認される方はいますが、トイレの後ろにあるレバーに手を伸ばすのは要介護者にとっては難しいかも・・・。
なかなか複雑な動作が続きます・・・。
この辺りを見ると、排泄動作を自立としている人のなかには一部できないことや、危ない動作があるかもしれないと思えてきます。
さぁ・・・まだ座れません(-_-;)
いよいよ「下衣類を下す」という難易度の高い排泄のメイン動作です。
・・・おっと忘れてました・・・フタを開けるのを・・・(^_^;)
フタを開けて、下衣類を下すのですが、下衣類によりますよね。
ベルトをしていたらベルトを外さなきゃいけないし、チャックがあればチャックをおろさなきゃいけません。
3枚はいていたら3枚おろさなきゃいけません。
ちょっと息抜きも含めて、こちらの動画をごらんください↓
こんなふうに脱ぎながらトイレに行くひともいるかもしれませんね(^_^;)
いや~なつかしいCMです!
パパパピピピのピッピッピー・・・ようやくトイレに座れました。
トイレに座ってからの動作
トイレに座ったらどうしますか?
排泄しやすい姿勢になりますね。
はい!排泄しやすい姿勢になりました!
ここで大事なのが、姿勢を保持できるかどうかという点です。
そして、お腹に力を入れて排泄するのです。
排泄が済むと、トイレットペーパーを巻き取る、そしたたたむ!
そして、拭くのです。
ちなみに拭き方もいろいろのようですね。。。
介護の仕事をしていると女性職員さんから介護に役立つ情報として拭き方などの話にもなるのですが、前から拭く派と片側のお尻をあげて横から拭く派がいました。
排尿をお尻を上げて後ろから拭く人はさすがにいないと思いますが、排便の場合はそうした拭き方もありますね。
拭き方もさまざまなわけです。
ちなみに男性の場合は、立って排尿される人も多いです。
洋式トイレで立ってする場合は、フタと同時に便座もあげますよね。
最後は男性でも拭く方がいるようですが、たいがいモノをちょんちょんと振って残尿のないようにしたりします。
※参考までに立ちションについての記事もご覧ください。
そうして、最後にトイレを流すわけですが、後ろにレバーのタイプだけでなく、ボタンで流すタイプも多いので楽にはなりましたが、どこがそのボタンか分からないときがありますね(^_^;)
知り合いは、とある店で間違えて緊急ボタンを押してました・・・。
あとは、フタを閉めて、手を洗って、トイレに座るまでの逆の流れで元いたところに戻って排泄は終了します。
まとめ
以上、排泄動作を細分化してみました。
他にも細かな動作があると思いますが、少し考えただけでもこれだけの動作が出てきます。
トイレでの動作ができるからといって、排泄動作自立としてしまいがちですが、排泄しようと思えば、トイレの中以外でも様々な動作ができなければ排泄は1人でできません。
もっと広げれば、清潔にトイレを使おうと思えば、トイレ掃除はできるのかという視点も入っていきますし、記事中にもあるトイレットペーパーをどこに保管しておくかという視点も重要と思います。
この動作の細分化は、介護を考える上でも大切ですし、在宅での環境を整えるうえでも大切です。
職員同士で排泄動作の細分化をしてみるのも面白いと思います!
またの機会に、食事や入浴についても動作を細分化してみたいと思います。