どうも、BESTなBLOGが書きたいYO-PRINCEです。
『介護のA to Z』シリーズです。
今回は介護の『B』で、BATH(お風呂)です。
日本人はお風呂大好きですから、介護にお風呂は欠かせないですね。
もちろん清潔保持という面でも重要なケアです。
というわけで、介護でこだわりたいお風呂について書いていきます。
高齢者のお風呂の頻度は週2回?
日本人はお風呂好きで毎日お風呂に入っている人が大多数だと思います。
「お風呂=お風呂につかる」というのが当たり前。
最近の若者のなかではシャワーだけでお風呂につかる習慣がない人もいるようなので、お風呂の形も多様化しはじめています。
とはいえ、介護において対象となる世代の人たちにとっては、毎日お風呂につかる習慣が常識と言っても過言ではないと思います。
じゃあ、週2回というのはどこからきているのか?
施設で働いている方ならご存知かと思いますが、これには法的な基準があります。
指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号)で、「第十三条 2 指定介護老人福祉施設は、一週間に二回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清拭しなければならない。」と明記されているのです。
これが他にも当てはめられてしまい、在宅でも週2回入浴できればいいと考えてしまっている方もおられるようです。
ここで誤解のないようにしておかなければいけないのが、特養であってもあくまで週2回は「最低基準」なわけなので、週2回以上でその方に合わせて入浴してもらったらよいというものだということです。
在宅であれば、週2回という基準などはなく、何回入ってもらってもよいのです。
じゃあ、毎日入ったほうがいいに決まっているのか??
そんなこともありません。
元気な私たちの感覚で考えてしまうとそうなるかもしれませんが、私たちと介護サービスを利用されている方々とでは条件が違います。
実際、デイの利用者さん何名かに聞くと、「1日置きで十分」「週に2回は入れたらええ」といった声が多かったりします。
入浴を週何回にするかを考える前に、まずはその方が何回お風呂に入りたいのかということぐらいは知っておいたほうがよいと思います。
もし毎日の希望があった場合に週2回しか入れないとしたら、「週2回でごめんね」という気持ちが芽生えるでしょうし、その気持ちがあるかないかではケアの在り方が大きく変わってくるはずです。
ちなみに沖縄ではお風呂につかる習慣がないそうですが、沖縄の特養では入浴はどうされてるんでしょうね?
知っている方おられたら教えてくださいm(__)m
皮膚の乾燥には入浴剤も効果的
長湯や熱めのお湯が好きな方って多いですよね。
そんな方にはこんな記事を書いていますので参考にしてみてください。
長湯や熱めの入浴というのは、皮膚の乾燥が起こりやすくなります。
そうなると、週2回というのはちょうどよい頻度なのかもしれません。
痒みって耐えられないですからね(^_^;)
本人の思いだけでなく、そういったことも頻度を考える材料としながら適切な入浴頻度を決める必要があるかと思いますが、皮膚の乾燥を防ぐ工夫はしておきたいところですね。
保湿成分の入った入浴剤を使ったり、入浴後に保湿クリームを塗ったり、皮膚をこすりすぎないようにするといった配慮をする等しておけば、少しは皮膚の乾燥を気にせず入浴できるかもしれません。
高齢者が安全にお風呂に入るために必要なこと
お風呂は介護のなかでも一番リスクの高い場所です。
安全にお風呂に入れる環境を整える必要があります。
ヒートショックを防ぐ
暖かい場所から寒い場所に移動したときに起こるヒートショック。
脱衣室と浴室の急激が温度変化で血圧が急激に変化し、最悪の場合死に至ることもあります。
ご自宅、特に独居の方の場合等は難しいかと思いますが、冬場は脱衣室と浴室の温度変化が少ないように暖めておく等の対策が必要になります。
和式浴槽で福祉用具を揃えて安全に入浴
これが和式浴槽です。
絵は下手くそですが、これが一番安全と言われています。
深くて狭い昔ながらの和式浴槽は、お風呂の中での姿勢が安定しやすいからです。
血圧の高い方などは半身浴がよいと言われることもあるので、その場合は浴槽台を浴槽の中に使うとよいと思います。
あとは手すりや滑り止めマットを用意して出入りの際の安全性を高めましょう。

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あとは、シャワーチェアーもあったほうがいいですね。
これらの滑り止めマット以外の商品は、要介護・要支援認定を受けておられる方なら、介護保険が適用され1割負担(収入により2~3割負担の場合あり)で購入できる商品なので、購入の際は担当ケアマネジャーにご相談ください。
年度毎に10万円を上限として購入でき、ポータブルトイレ等の購入も対象となっています。
ちなみにこの和式浴槽ですが、狭そうで出入りしにくそうに思う方もおられると思いますが、狭い分安心して出入りができるのが何よりのメリットです。
それに上がるときは深い分、浮力が使えるので実は上がりやすいのです。
介助が必要な場合にも、和式浴槽の方が介助がしやすいのです。
こちらの本にとても分かりやすく説明がしてあります!

新しい排泄介護の技術―移乗技術+福祉用具=イキイキ・ラクラク介助! (介護を変えるDVDブック)
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ちなみに和洋折衷浴槽(左)や洋式浴槽(右)は姿勢が安定せず危険と言われています。
絵も下手と言われています(-_-;)
住宅改修で安全に入浴
福祉用具で補えなければ、介護保険による住宅改修を検討してください。
こちらは、20万円を上限として同じく1割負担(収入により2~3割)で住宅改修工事が行えます。
住宅改修は特定福祉用具のように年毎ではないので20万円を使い切るとそれで終わってしまいます。
ただし、例外があって三段階上要介護度が上がるとリセットされるというルールがあります。
例えば、要介護1から要介護4以上の場合はリセットされます。
要支援2は要介護1に含め考え方になっているので、要支援2の三段階上は要介護4、要支援1の三段階上は要介護3となります。
ん~、ややこしいですが余談として書いておきました(^_^;)
大浴槽は安全に入浴できるか?
施設での入浴の場合は、温泉のような大浴槽の施設も多いと思います。
広いということは姿勢が安定しない分危険ということになりますが、いろいろと工夫していくしかないでしょう。
手すりをつけたり、持つ場所を簡易的に作ったり、浴槽台を使ったり、一定の投資は必要かもしれませんが工夫できることはあると思います。
あとは、介護士の見守りということになると思います。
ずっと見守りというのはプライバシーの面で本来配慮が必要なところではありますが、やはり安全が重視されるべきなのがお風呂なのです。
入浴介助で介護士のスキルは上がる!
入浴介助は介護士のスキルアップの宝箱です。
配慮すべきポイントがいくつもありますし、介護技術の面でもきわめて高度な技術が求められます。
プライバシーに配慮する
配慮すべきポイントで最初に浮かぶのがプライバシーの面ですね。
間違いなく同性介助が理想です。
ただ、人員不足のなかでそれが難しい介護現場は多いと思います。
もうこうするしかない!ということで、私の場合こんな工夫をしたりしています(^_^;)
男性が女性利用者の入浴介助するとき
— ヨウ-P@介護福祉士×ブログ漫才師 (@s_y_prince) 2019年5月11日
男の人にそんなことしてもらうん恥ずかしいわ~とごもっともなこと言われてしまったら
『何言ってんの?私女よ?』とおかま口調で答えると恥ずかしさが吹き飛ぶ。#介護にまつわる小さな引き出し
苦肉の策ですね(-_-;)
あとは、これは同性であってもですが、裸になられたらそっと陰部にタオルをかけてあげるといった配慮はあるべきだと思います。
洗身・洗髪は出来るところはしてもらいながらも清潔保持に努める
頭や背中は洗いにくそうではありますが意外と洗ってもらえるケースもあるので、まずはできるかどうかの評価を心がけましょう。
あとは、本人の身体的負担等を考慮し疲れないようにしながら、また、不十分さを補うために必要な介助を行います。
わきの下や足の指先などはご自分で洗えたとしても不十分なことが多いのでさりげなく洗い直しをさせてもらったりします。
陰部・臀部をどの程度洗うかは相手によってはかなり配慮が必要な場合もあり、なるべく恥ずかしい思いをされないようにさりげなく介助を行います。
洗身一つとっても配慮すべきことが多いのですが、最後の洗い流しも大切で、しっかりとぬめりを落としてあげる必要があります。
タオルで桶に貯めたお湯にジャバジャバつけながらご自分で泡を洗い流しもらうのが一番洗い流しには効果的かもしれません。
もちろん、床の泡もしっかりと洗い流しましょう。
個浴の出入りの介助は奥が深い
前述の浴槽でお風呂に入ってもらうことを「個浴」とか「ひとり浴」と言ったりします。
和式浴槽が一番介助がしやすいんですが、それは姿勢が安定するからです。
安全に介助ができます。
上がってもらうときは特に面白いです。
お尻を持って浴槽から上がる介助をするのですが、まずお尻の重さを感じるようにします。
浮力を使うと、その重さをあまり感じることなく浮いていく感覚で介助が出来ます。
ある程度浮いてきたら次に頭のほうに重さを移していくので、お尻を上に持ち上げる感覚より前方にお尻を押し出す感覚で介助します。
そうすると重さが頭のほうに移っていって、お尻が浴槽の縁まで上がってきます。
そんな風にして「浮力」も使いながらする介助はとても奥が深く、浮力を味方につけたら介助が本当に楽になります。
軽度者はここまでの介助は必要ないので、中重度者の介助の場合に介護士の腕が試されると感じています。
これが和洋折衷浴槽や洋式浴槽だとかなり介護技術で補っていかないといけないことになります。
私としてはお風呂が一番介助の面白さを感じる場面であり、一番技術を磨ける場面なのです!
いずれロボットに頼る時代が来るかもしれませんが、それに対抗できる介護技術はつけておきたいものですね。
ロボットについてはこちらの記事をご覧ください↓
まとめ
以上、介護の「B」、Bath(お風呂)でした。
介護で一番事故の多い場面ですから「安全」はもちろんのこと、裸を見る介助であるがゆえに「安心」への配慮も行いつつ、お風呂大好き日本人のために「安楽」も大切なポイントです。
頑張って書きましたが、ここに書いたことは正直一部です。
文字では表しきれないものがありますが、少しでも参考にしていただければと思います。
あまり関係ないですがオフロスキーを知らない方のために↓
洋式浴槽は寝てしまいそうになりますから、呼ばれてなくても呼ばれたような錯覚を起こすのかもしれません。
和式浴槽でこんな場面もなくなるかも(^_^;)
では、次回は介護の「C」、Care Plan(ケアプラン)です。