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帰宅願望は今が不安というSOS!安心があれば止められる!?

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どうも、ヨウPです。

今回の記事ではこちらのツイートの解説をしていきたいと思います。

とんでもない距離を歩いて帰ると言い始める利用者…。

いますよね…(^_^;)

私たちでも歩けないような距離を何の迷いもなく「帰る!」と言い切れるのはかなり精神的に追い込まれた状態です。

認知症で身体は元気な方の場合は歩くのも速いので、かなり慌てるんです…。

そんな強烈な帰宅願望に対して、どう対応すべきか??

これまでの私の経験則をもとに書いていきたいと思います。

強烈な帰宅願望は付き添うべきか?止めるべきか!?

この記事での帰宅願望はあくまで強烈な帰宅願望です。

走ってでも帰りそうな帰宅願望…。

かなり追い込まれた不穏状態での対応は本当に勘弁してほしいわけですが、放っておくわけにもいきません。

帰宅願望はリスクが伴うことも多いものです。

真夏であれば、最悪です…。

外で出れば炎天下のなかで歩き続けなければなりません。

実際にそんなケースがありました…(-_-;)

かなりの不穏な状態で外に出てしまった認知症のAさん。

外に出てしまっているので、ごまかしようがありません…。

付き添って話をしてみて、話を変えてみたりいろいろしてみるわけですが、そういうときの利用者さんってそんな生ぬるい方法は効かないんですよね…。

水に油を注いでしまうような…。

方法は・・・疲れを待つしかないんです(-_-;)

実際、疲れを待って施設に戻ってもらえたケースはあります。

ですが、炎天下の場合は生命の危険を考えなければいけない場合があるんです。

そんなとき私がしたのはAさんの行動を何が何でも止めるという方法でした。

Aさん!
お願いなんでいったん中に入りましょう!
すぐに帰られる段取りをしますんで!
お願いです!

言葉では伝えにくいですが、この時はドラマの1シーンかというぐらいの迫真の演技で真剣さを利用者さんに伝え抜くのです!

もちろん、迫真の演技は言葉だけでは伝わりません。

身体を使って表現します。

Aさんの体を前から押さえながらの迫真の演技です!

冒頭のツイートのとおりで、「大きなミスをしでかし『何とかしますんで時間をください!』と必死に食らいつく営業マンのような勢い」で対応するんです。

それで何とかAさんに思いが伝わり、いったんはAさんの行動を止めることができたわけです。

この時私は、Aさんに「何とかする!」と言い切っているので、ほんの少しの間ですがAさんは待ってくれます。

時間稼ぎですね(^_^;)

このようにして、Aさんの意に反する対応ではありますが、炎天下での長時間歩くというリスクを食い止めることができたんです。

この経験談を聞いて、皆さんは、付き添うべきだと思いますか?

それとも、止めるべきだと思いますか?

時間稼ぎで一時の安心を手に入れたら認知症ケアで挽回!

この場合の時間稼ぎは、残念ながらほとんど時間を稼げていません(^_^;)

なので、瞬時に対応していかなければいけません。

冒頭ツイートの営業マンの例であれば、1時間や2時間といったそれなりの時間を稼げると思います。

その稼いだ時間であれやこれや手を尽くすわけです。

帰宅願望の対応の場合は、どうするのか??

必要なのは認知症ケアです!

帰ることに向いているAさんの意識をどうやって違うほうに意識を向けるかです。

そのためにはAさんの興味関心がどこにあるかを見極めなければいけません。

このとき、Aさんの情報が出来るだけ多くあると便利です。

Aさんの家族の情報がより細やかにあるとこういったときに使えることがあります。

私がAさんの昔のことをよく知っている人となることで、Aさんに安心が生まれることがあるんです。

ちなみに、このAさんのときは、いったん施設に戻ってもらった後は意外と何とかなったので問題なかったんですけどね(^_^;)

冒頭ツイートの利用者さんの場合は、女性利用者で普段から湯呑洗い等を手伝ってくださる方だったので、職員の手伝いをしてもらうことで落ち着かれました。

一瞬でも安心してもらえたタイミングを逃さずに、ケアを施すわけです。

それをしないと、すぐに不穏状態に戻ってしまうわけです…。

タイミングを逃さずに、利用者の精神状態の変化を観察しながら利用者の意識を違うほうに向ける!

これは、まさに認知症ケアなのです!

ではここで、認知症ケアの数々をごらんください↓

認知症の方の行動を止めることは介護なのか!?

帰宅願望に対して迫真の演技で行動を止めるという対応は「介護」と言えるのかと言われると微妙ですね(^_^;)

その後の対応は認知症ケアであり、立派な「介護」の手法ですが…。

でも、「介護」って時として人間臭さって必要だと思うんです。

「介護」においては「叱責」はタブーと言われていますが、「叱責」によって利用者さんに分かってもらえて落ち着いてもらえることもあるわけです。

よくよく考えると、ドSとかドMという性質があるのなら、怒られることが全く嫌ではない人や怒られるほうが理解しやすい人もいるんでしょうね(^_^;)

もちろん、仕事としては、感情に任せて怒ることはできる限り避けなければいけないと思います。

あらゆる「介護」の方法を使ってもどうにもならず、一か八かで試してみるような感覚で、相手のことを真に思って怒ってみたり、行動を止めたりすることは、「介護」には必要なことがあると思っています。

この「相手のことを真に思って」ということが大事!

この思いがあれば何をしてもいいかと聞かれるとそういうわけではないんですが、思いもよらぬ方法がハマることがあるんです!

馬にニンジンを与えたら馬が動き始めるような感覚で、動けない人を動かせるのがニンジンだとしたら、ニンジンでさえ『介護』になる!

それが『介護』なのです!

…とは言うものの、接遇はやっぱり丁寧に…というのが私のこだわりなので、私の場合は、丁寧な関わりで怒り、丁寧な関わりで行動を止めさせていただきますm(__)m

一番大事なのは不穏にならない環境を整えること!

ここまでの対応は、すべて事後対応です。

不穏になってからの対応ですよね。

帰宅願望に関わらず、強烈なBPSDは起こってからの対応には限界があります。

考えるべきは、そうならない環境作りです。

BPSDを未然に防げる方法を考えます。

今回の帰宅願望であれば、『帰りたい』につながった原因は何かを考え、その原因を取り除く方法を考えることです。

職員の対応が不快感を与えてしまったのかもしれません。

何もすることがなく余計なことを考えてしまったのかもしれません。

トイレに行きたかったのかもしれません。

だとすれば、職員がどんな対応をすればいいか、利用者さんに何かしてもらえることはないか、利用者さんをトイレにさりげなく誘える方法はないか…、工夫できることはたくさん見えてきます。

なるべくなら、未然に防いでおきたいですよね!

強烈なBPSDの対応は、今回の記事のように迫真の演技があれば止められるかというと、おそらくそれはほんの一部です。

下手すれば1日がかりなんですよね…(-_-;)

1日がかりで付き添うことは『介護』だと思いますか?
1日がかりで対応することで終わってしまったとしたら、それは『介護』ではありません。
そこから対応の工夫をしていくことこそが『介護』なのです!

まとめ

帰宅願望の対応の答えは、最終的にはこれです↓

帰宅願望の対応は、とても時間がかかるし精神力も必要です。

ずっと付き添うこともあれば、何とか頼み込んで止めることもあると思います。

それで利用者さんに落ち着いてもらえたとしたら、その利用者さんは職員の真剣な対応に「この人なら安心できる!」と感じておられるのかもしれません。

でも実際は、そうもうまくいかず、延々と付き添うか、無理に外に出るのを止めるか…。

根比べです…。

仕方なくそんな対応をしています…。

前述のとおり、そこで終ってしまうような対応であれば、それは『介護』ではありません。

そこから学んで、それらを『介護』にしていくような姿勢を持つことで、あまり好ましくない対応も自信を持って『介護なんだ!』と言えるようにしておきたいなと思います!

 

 

 

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