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【特養】看取り介護がチームを育てる実践例とその実態

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どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!

令和元年最後の記事は「看取り」についてです。

「看取り」については、特養にいた頃に、「看取り介護加算」算定に向けての準備をし、実際に特養での「看取り」を経験してきました。

特養での「看取り介護」の取り組みをチームの育成につなげた実践例を記事にしたいと思います。

ちなみに「看取り介護」と「ターミナルケア」は違います。

「ターミナルケア」は医療的ケアが中心で、「看取り介護」は日常生活のケアが中心です。

特養での「看取り」は不安がいっぱい!?

平成18年4月の介護報酬改定で創設された特養の「看取り介護加算」。

当時の私は、特養の施設ケアマネジャー兼生活相談員をしていたのですが、「看取り介護加算」算定に向けての準備に携わっていました。

特養での「看取り介護」は、看取り介護指針を作成し、嘱託医に説明をし協力を求め、看取り介護をするうえでの仕組み作りをする等して、ようやく実践へと向かっていくわけです。

問題はここからで、「看取り介護」というものをどのようにして職員に教育していくかが一番難しいのです。

「看取り介護」だけは知識だけでは補えず、どれだけ質の高い研修をしたところで限界があります。

実際に利用者さんの「死」と向き合うなかで見えてくるものもありますし、「看取り介護」をすべて理解したうえで実践に入るというのは無理なんですよね。

「看取り介護」をしていくなかで、現場の介護職員さんは不安だったと思います。

特に夜勤です。

特養での夜勤は、ほとんどの施設が介護職員だけなわけですから…。

どのぐらいで看護師さん呼べばいいんですか?

絶対119番通報がしたらダメなんですか?

呼吸が止まりそうになったら電話したらダメですか?

実際に、こんな声が繰り返されました。

なるべく看護師さんに迷惑をかけたくないと思う職員もいるでしょうし、「助かるかもしれないのに…」という思いを持つのも当然です。

こうした不安の声に耳を傾け、出来る限りの配慮はするものの、最終的には現場の介護職員さんに託されるのです。

介護経験の少ない職員の場合は、ほとんどが死に際に直面するような経験をしていないわけですから、当然不安ですよね…。

私の施設はユニット型特養でしたので、2ユニット20名を1人の夜勤で対応していました。

不安なときは、他のユニットの夜勤者と相談し合ってもらいながら乗り越えてもらい、それでも不安であれば看護師に電話してもらい、最初の頃は私が遅くまで残ることもありました。

そうして、施設での看取りを繰り返し、看取り後の振り返りで反省しては次の「看取り介護」に活かし…としていくなかで、徐々に「看取り介護」ができるチームが作り上げられていくのです。

「看取り」ができるチームでスタートするわけではない!

家族でない人間が「看取り」をするということの重み…。

他人だからこそ冷静にいられる側面もあるかもしれませんが、他人の死の最期を家族の代わりに見守っていると考えるとその重みがどれだけのものかは考えれば分かるはずです。

かつ、同時に認知症の方や寝たきりの方の介護をいつも通り行っているわけです。

「看取り介護」というのは、それだけのことを介護職員にゆだねているということなのです。

じゃぁ、それだけのことができるチームなのか??

結論から言えば、私の施設ではスタート時点はそれだけのチームではありませんでした…。

介護現場にはいろんな人材がいます。

応用が利かない職員も当然いるんですよね…。

37.0度熱があるんですけど、どうしたらいいですか?

20時半に飲む薬が21時なってしまったんですけど飲んでいいですか?

そんな電話が夜間当番の看護師に入り、私が怒られるという…(^_^;)

看護師が怒る気持ちも分かるんですが、不安な介護職員の気持ちも分かってほしい…。

看護師さんにはグッと堪えてもらって、私が愚痴を聞き続けるといった感じで、看護師さんには介護職員のサポートをしてもらっていました。

「看取り介護」を始めるチームのスタートはそんな状況でした。

そんな状況下では、看護師や私のようなケアマネジャー、生活相談員といった職種のフォローが必要不可欠で、結構介護現場に振り回されていたことを覚えています。

もちろん、任すべきところは介護現場に任せながら…。

任せないとキリがないですし、そうしないと育たないからです。

そうやって、1年、2年と「看取り」を繰り返していくうちに、チームは変わっていくのです。

「看取り介護」によって育てられるチーム

こういうときはこうするんです!

上司からの指示通りに現場が動いてくれるかというとそんなことばかりではありません。

なぜなら、介護はグレーな部分が多いからです。

例えば、水分補給や食事介助。

それまで摂れていた水分量や食事量は、看取り期になると徐々にその量は減っていくものです。

当時の介護現場は、水分1日1000㏄や毎食10割摂取がどの利用者にも当たり前のような状況でした。

そんな毎日が繰り返されると、それが職員の中で普通のことになってしまうんですよね…。

介護職員は誰に対しても水分1日1000㏄や毎食10割摂取を頑張ってしまうんです。

そんなに水分摂るのって利用者さんしんどくないんやろか?

大丈夫ですよ。スムーズに口開けられますよ。

普段介護していない私が言ったところで説得力ないんですよね…(^_^;)

でも、そうしたやりとりも、看取り期になると介護現場のなかで意見が分かれてくるんです。

100㏄飲んだらちょっとしんどそうやで~。

いや、時間かけたら250㏄ぐらい飲んでやけどな~。

介護現場の中で意見の食い違いが出てくると、そのタイミングでカンファレンスを開催します!

そうしたときの私の役割は、本やインターネットから判断根拠になるものを探し、よりよい話し合いができるようにフォローすることでした。

実は、水分摂取については看護師も含めて揉めに揉めたこともありました(-_-;)

どれだけ水分補給するかって、意思表示の難しい利用者さんの場合は、職員側の「どれだけ頑張ってもらうか」にかかってくるんですよね。

利用者さんに頑張ってほしいという思いが、水分摂取過多となることだってあるんです。

こんなやりとりは、排泄や入浴でも同じようなやりとりがありました。

そろそろトイレに行くのしんどないか~?

いや、トイレ行ったらおしっこ出ますしね~。

お風呂も止めて清拭にしたほうがよいで~?

お風呂好きや言うてはるんですよ~。

意見の食い違いの都度、話し合いの場を持つようにしました。

それ以外にも…

今のうちに食べたいものを食べてほしい!

今のうちに行きたいところに連れて行ってあげたい!

そんなキラキラした思いも出てきたんですが、やっぱり達成できなかったりもしました。

結果、どうすることがよかったかは誰も分かりませんが、そうした「看取り介護」を通してのやりとりのなかでいつしかチームは育っていることに気づかされました。

だって、いつしか私のフォローの必要がなくなっていたんですもん…。

それこそが成長の証なのです!

「看取り介護」の学びはすべての介護に活かされる!

「看取り」だからこそ!
最期の時間だからこそ!
できる限りその人らしくいてほしい!

そんな職員のキラキラした思いがあったからこそ、未熟なチームの中で「看取り介護」を動かせていけたと思っています。

それぞれの「どうしてあげたい」のぶつかり合いが大事なのです!

理想と現実の「ぶつかり合い」ですね。

そして、そのたびに一つ答えを出して実践する!

「看取り」には時間が多く残されていないので、一つ一つ早期の判断が求められるので、とりあえず一つ決めてやってみよう!ということがやりやすいんですね。

当然守りの介護にはなってしまわけですが、それでいいんです。

そうした「思い」をぶつけ合える風土があれば、後は他のすべての介護に活かすのみです!

「看取り介護」だから特別なことをするわけではないことは、多くの介護職員さんが実は気づいていることだと思います。

「看取り介護」ではできなかったようなことは、利用者さんが元気なうちにすればいいわけで、入所されたときからできることを考えればいいだけのことなんです。

「看取り介護」もそれ以外の「介護」も考え方は一緒で、食事も水分も排泄も入浴も、基本はその人に合わせて考えればいいだけのことなんです。

そこになかなか気づけないチームは、「看取り介護」を通してチームに気づいてもらえるように導けばいいと思います。

そして、してあげたいことができなかった看取り介護の振り返りでこう言えば、チームは動き始めることでしょう!

もっと元気なうちにそうしてあげたかった…。
他の利用者さんにはできる限りそうしてあげたいですね!

…とはいえ、現実を見ながら取り組むようにしてくださいね(^_^;)

現実的にできる小さな一歩から踏み出せばいいんですから!

実は「看取り介護」のほうが精神的に楽な一面もある…?

最後にちょっとだけ「看取り介護」を始めたほうが楽な一面を書いておきたいと思います。

いつ呼吸が止まるかどうか分からない状況での介護は言うまでもなく不安なのですが、「看取り介護」をしていなければ突然心肺停止した場合には心肺蘇生しなければいけないんですよね。

そのほうが不安だったりするんです。

どの施設においても「救急救命講習」で心肺蘇生の研修を受けておられると思うんですが、人形でするのと実際の人間でするのとでは全くもって違います。

当然のことですね…。

私も何度か心肺蘇生をしたことがありますが、内心はドキドキしていましたし、その結果多くの利用者は病院で亡くなられるのです。

「看取り介護」を始めてから、心肺蘇生をする機会は激減しました。

「看取り」を望まなければ早めに医療に託せばいいわけですから。

「看取り介護」をしている施設で働く上で心配されている方は、一度どちらが精神的負担が大きいか考えてみてもいいかもしれません。

まとめ

最近、デイサービスやショートステイでの看取りについて考える機会があり、施設での「看取り」について考えていました。

まずは、特養の頃の「看取り介護」の取り組みを思い出しながら、「看取り介護」をすることの奥深さを自分なりにまとめてみることにしたわけです。

奥深さと表現しましたが、一番大事なことをそれまでとどれだけ同じスタンスで利用者さんと関われるかだろうなと思っています。

つまり、特別なことではないんです。

ですが、今の日本においては、極端に医療に頼る思考が強いことや法整備が追い付いていないこともあって、医療現場以外で最期を迎えることはまだまだ歓迎されていないように思います。

死亡場所の実態は平成21年で以下のとおりです。

・病院 78.4%

・特養 3.2%

・老健 1.1%

・自宅 12.4%

出典元:厚生労働省:死亡の場所別にみた死亡数・構成割合の年次推移

介護施設は最期を迎える場所としてはまだまだ少ないことが分かります。

ちなみに、介護保険制度上「看取り介護」が認められている事業者は「看取り介護加算」が創設されている事業だけで、令和元年12月現在、「看取り介護加算」を算定できる事業者は以下のとおりとなっています。(医師が常駐している介護老人保健施設と介護療養型医療施設は「ターミナルケア」になります)

・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

・特定施設入居者生活介護

制度上認められているからこそできる「看取り介護」ですが、そんな簡単なことではないことはこの記事を読んでいただいたとおりです。

看取り介護指針を作成し、それを入所時に利用者・家族に説明し同意を得て、さらには職員教育や仕組み作りに取り組み続け、かつ、一つ一つの事例においてこの記事で書いたような「ぶつかり合い」があったりするんです。

成熟した施設であれば落ち着いているとは思いますが、そこに至るまでは大変なことなんですよね…。

だとしたら、デイサービスやショートステイの看取りってどうなんでしょう??

またの記事で書きたいと思います。

よければ、「看取り」に関するこんな記事も書いているので覗いてみてください↓

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