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【認知症】繰り返す「おなじ話」の意味を知れば対応が変わる!

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どうも、ヨウ-Pです!
認知症の人の「おなじ話」の捉え方についてハンバートハンバートの曲から学んだヒントをお届けします!

今回の記事は「介護×音楽」で、介護のことを考えていきたいと思います。

取り上げる音楽はハンバートハンバート「おなじ話」という曲。

私たち介護士が「おなじ話」と聞いて浮かぶのは認知症の方の繰り返される「おなじ話」ですね(^_^;)

認知症ケアにおいて、「おなじ話」をどのように捉えたら介護がより良くなるのかを書いていきます。

ハンバートハンバートの「おなじ話」の歌詞の意味が深い!

まずは、ハンバートハンバートの「おなじ話」を聴いてください。


おなじ話 - ハンバート ハンバート

おなじ話 (アルバムバージョン)

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  • 発売日: 2018/07/20
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おなじ話 (ALBバージョン)

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  • ¥204
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会話形式でたわいもない会話が繰り広げられる「僕」と「君」のストーリーです。

優しいメロディーと歌声だけでも引き込まれてしまい、涙される方も多いと思います。

ハンバートハンバートは、1998年に結成された佐藤良成と佐野遊穂の夫婦デュオなんですが、知らない方も多いかもしれませんね。

この歌を機にぜひとも引き込まれてください!

では早速、深い歌詞の世界へ…。

どこにいるの? 窓のそばにいるよ

何をしてるの? 何もしてないよ

そばにおいでよ 今行くから待って

話をしよう いいよ、まず君から

※出典:「おなじ話」作詞 佐藤良成

「おなじ話」はこんな感じで始まります。

たわいもないやりとりですよね。

話の内容からして、電話でのやりとりなんでしょうか??

どこにいるの? 君のそばにいるよ

どこを見てるの? 君のこと見てるよ

どこへ行くの? どこへも行かないよ

・・・・・・ ずっとそばにいるよ

※出典:「おなじ話」作詞 佐藤良成

「君のそばにいる」のに「どこにいるの?」って聞いていますね。

「君のこと見てる」のに「どこを見てるの?」って聞いています…。

おそらく、この「男性は目が見えない方なのでしょう。

そうすると、最初の歌詞の部分も辻褄が合ってきます。

電話ではなく、家の中かどこかでの会話だったんでしょうね。

そして、最後は黙ってしまった「男性」に「ずっとそばにいるよ」と答える「女性」

「男性」は言葉にせずとも思いが顔に出てしまっていたんでしょうね。

心が通じ合っているような二人の姿が浮かび上がってきます。

どこにいるの? となりの部屋にいるよ

何をしてるの? 手紙を書いてるの

そばにおいでよ でももう行かなくちゃ

話をしよう ・・・・・・

※出典:「おなじ話」作詞 佐藤良成 

なぜ手紙を書いているのでしょう?

どこに行くというのでしょう?

そして、最後は「男性」が話しかけているのに対して、「女性」は何も言わなくなってしまいます。

何があったのでしょう??

気になります…(^-^;

それから 君は僕を見つめ

それから 泣きながらわらった

さようなら ゆうべ夢を見たよ

さようなら いつもおなじ話

※出典:「おなじ話」作詞 佐藤良成

「女性」が何も言わなくなった理由は、天国へと旅立たれたからなのでしょう。

「女性」は「さようなら」を告げる手紙を書いていたのでしょう。

「女性」の死を知った「男性」は、瞼の向こうの「女性」の姿を思い浮かべ、「女性」はそんな「男性」の姿に悲しみとともに喜びを感じながら旅立っていったのでしょう。

そして、「男性」は旅立つ「女性」に「さようなら」を告げ、忘れられない「女性」に対して「おなじ話」を繰り返すのです…。

これは、あくまで一つの解釈です。

いろんな解釈ができると思うので、ぜひ二人の姿を想像しながらこの曲を聴いてみてください!

「おなじ話」に感じる日常の安心感を介護に生かす!

男性と女性が繰り返す「おなじ話」

この歌に出てくる2人に関わらず「おなじ話」というものに、私はどこか安心感を感じます。

いつも通りであることの安心感みたいなものでしょうか?

この歌を聴きながらこんなツイートをしました。

「おなじ」って退屈なイメージがあると思うのですが、果たしてそんなマイナスのイメージばかりなのでしょうか?

おなじ話、おなじ食事、おなじ歌、おなじレク…。

そんなに悪いことばかりではありません。

ある人にとっては安心感となるのが「おなじ」です。

認知症予防にはメリハリが大事だとか刺激が必要だなんてことを言いますが、そのベースにあるべきは「おなじ」が繰り返される日常だと思うのです。

「おなじ」がないとしんどいですからね…(^_^;)

特に認知症の方は、新しいことを覚えることにストレスがかかるので、これまでと「おなじ」というのはとても大切なんです。

なので、私が認知症の方と話すときは、いつも盛り上がる鉄板の「おなじ話」を繰り返し使っています(^_^;)

更新されない「おなじ話」は思い出のような安心感を生む!

ハンバートハンバートの「おなじ話」の意味は、この先更新されることがないという意味も含んでいるのだと思うのです。

女性の「死」とともに、男性は女性との「おなじ話」を思い返していくことになります。

女性が生きている間は、「おなじ話」と言えど実際は日々更新されていく「ちがう話」ですよね。

女性の「死」とともに、男性と女性との「おなじ話」は「思い出」となり、それは更新されることのない過去の「おなじ話」なんです。

だとすると、「おなじ話」というタイトルもかなり深いタイトルですよね…。

さて、介護で「おなじ話」と言えば…?

認知症です。
何度も「おなじ話」をしてくるので困ってます!

認知症の中核症状(必ず起こりうる症状)には、新しいことを覚えられなくなり、覚えていたことを忘れてしまう記憶障害があります。

まず、新しいことを覚えられないので、記憶が更新されにくくなります。

さらには、記憶していくことも失われていくので、記憶の量は少なくなっていきます。

つまり、記憶されている話はどんどん失われ、残された記憶だけが「おなじ話」として繰り返されていくわけです。

そんな認知症の人は、どんな思いで「おなじ話」をされているのでしょうか?

認知症の人は新しいことを覚えられなくなっていくので、過去の「おなじ話」こそが安心を生みます。

ハンバートハンバートの「おなじ話」の歌詞の世界とどこか通ずるところがあるように感じるのです。

いつもと「おなじ話」に安心を感じるような関係性です。

「おなじ話」をしてくる認知症の利用者さんに対しては、慣れない頃はこんな感じです…。

わしな~財布どこやったんやろ?
ジュース買いたいんや!

財布ね~…、どこいったんでしょうねぇ??
ジュースは何が買いたいんですか?
ここでは、買えないんですよ!
帰ってから買いましょか!

何度も聞かされる「おなじ話」に、真剣に答えようとしてムキになってしまったりするんですよね…(-_-;)

それが慣れてくると、こんな感じです…。

わしな~財布どこやったんやろ?
ジュース買いたいんや!

財布はなくても大丈夫ですよ(^_^)
ジュースは3時に出ますし、それまで待っててくださいね!

いつもの「おなじ話」にいつもの「おなじ返答」で簡単に切り抜けるという…いつもと「おなじ光景」が繰り広げられます。

介護する側の人もいつもと「おなじ話」に笑えてきたりもして…。

そんな「おなじ話」になるまでは少し時間がかかるかもしれないですが、聞き流し方も分かってくるもので、最終的にはハンバートハンバートの「おなじ話」のようなシンプルなやりとりで落ち着いていくことが多いんですよね。

認知症の人の記憶の量は少なくなっていくので、残された記憶を日々の関わりのなかで知るようにしておけば、どう返せばいいかがきっと見えてくると思います。

そうすれば、認知症の人の「おなじ話」にも、ハンバートハンバートの「おなじ話」のような優しい世界を作ることができるはずです!

まとめ

ハンバートハンバートの「おなじ話」

優しくもあり、せつない世界です。

認知症の世界もせつないですけど、「おなじ話」のようなメロディーにのせれば優しい世界となります。

認知症の世界は、怒りや悲しみのイメージのほうが強いかもしれませんが、捉えようと関わりようでその世界を変えることができます

その術は、もしかしたらすごく身近なことに答えがあるのかもしれません。

認知症の人の「おなじ話」を、いつもの日常だと捉えてみたり、更新されることのない思い出と捉えることができたら、それだけで世界は変わるかもしれません!

 

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