どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!
今日は私のこれまでの介護経験の中で築き上げてきたチームマネジメント手法について書きたいと思います。
いろんな人材が集まる介護現場においてはズバリ…「コレだ!」と言い切れる方法はありません(-_-;)
人材育成関連の本や研修等でいろんなマネジメント手法が学べるわけですが、ありきたりな方法ではどうにもならない…という方も多いと思います。
あの手この手尽くして、もう手がなく途方に暮れている方は、ぜひこの記事を一読してもらえたらと思います。
ボジティブ思考が主流の現代において、あえてネガティブに攻めます!
介護現場の人材は多様化し荒れていく…!?
介護現場ほど寛容にどんな人でも雇ってくれる業界はないのでは…と思うほどにいろんな人材がいます。
介護業界は、とんでもない人材不足のなかで外国人労働者の雇用やロボット導入等ばかりが注目されており、純粋な人材確保策はもはや諦めの境地となっている事業所が多いように感じています。
そして、介護分野の人材育成の研修に参加すると決まってこう言われます。
どんな人材も育てるしかないんです!
そして、参加者は心の中でこう言います。
え?
アイツ育てるってか??
・・・無理やろ~(-_-;)
皆さんが想像される「アイツ」は老若男女様々であることでしょう。
お局化しているベテラン職員であったり1年経っても仕事を任せられない若手職員であったり…。
介護は誰でもできるような仕事ではありません。
そもそも、介護に限らず誰でもできる仕事なんてないんですよね。
得手不得手があれば合う合わないもあるのは、どんな仕事でも当たり前のことです。
ところが、選んでいる余裕のない職場にはあらゆるタイプの人材が雇われていきます。
人材不足は他の業界でも同じくあるわけですが、介護現場はとりわけその敷居が低いこともあって本当にいろんな人材がやってきます。
そして、採用された以上は、介護現場としてはとりあえず育てていくしかありません。
誰でもできるわけのない仕事を、誰でもできる仕事にしていくことが求められるんです。
そうやって、介護現場の人材は多様化していくわけですね…。
人材の多様化自体はいいことなんだと思います。
そのほうが介護の幅も広がる可能性がありますから!
とはいえ、そんなことはきれいごとなわけです・・・。
多様な人材が集まったチームをまとめることは本当に大変なんですよね(-_-;)
こんなふうにして、介護現場は荒れ果てていくのです・・・。
認知不協和~どうせ悪いところを見てしまう人間~
個性派がそろっても、それぞれの職員のいいところを認めあっていけばいいんですよ!
教育も人材育成も「褒めろ認めろ」の時代ですが、なかなか褒めるのも認めるのも難しいものなんですよね…。
なぜ難しいんでしょうか??
ちょっとこちらの絵を見てください↓
この二つの絵、どこが気になりますか??
赤い丸の欠けた部分に目が行きますよね?
欠けている部分を気持ち悪く思えてしまう認知不協和という人の習性だそうです。
人間はどうしても人の悪いところを見てしまう生き物だということです。
もちろん教育により、良いところを見ることができるように育てていくことは一定は可能だとは思いますが、いろんなタイプの職員がいるなかでそれができるチームは恐らくほんの一部です。
人は悪いところを見てしまうものだと割りきってみたほうが現実的なチームマネジメントができるような気がしませんか??
いっそ皆に自分の悪いところを見てもらう!
介護の仕事をして約20年の間、どれだけ人の悪いところを聞いてきたことでしょう…。
いつもAさんのときは仕事が出来ていなくて困ります!
Bさんのあの感じは怖くて相談なんかできません!
どんな人にもいいところはある!
いいところを見よう!
認め合おう!
「褒める」「認める」ことの大切さは、研修等で十分に理解しているはずなのですが、そんな理解も束の間なのです。
認知不協和、恐るべしです(-_-;)
「人の悪いところを見てしまう習性」を無くすことなんて無理なんです!
…そう割り切ったとき、私はこう思いました。
いっそ皆に自分の悪いところを見てもらったらどうだろう?
チームの状況を見渡したとき、多くの人は自分の良いところ以上に自分の悪いところを見る習性がありました。
これは日本人の特徴なのかもしれません(^_^;)
そもそも自分の長所を挙げよと言っても挙げられる人少ないですよね。
その代わり、自分の悪いところならいくらでも挙げることができるという人のほうが多いんです。
そんな中、自分の悪いところは棚に上げて、他人の悪いところばかり言っている人がいるわけです。
そして、そんな人に振り回されてチームは荒れていくというパターンに陥っていくのです。
そうなると、みんながみんな他者の悪いところを見てしまう最悪事態が完成します(T_T)
これって、うちの職場のこと??
私の職場も今こんな感じや~!
実は、こういう職場って多いと思うんです…。
「褒める」「認める」ことの大切さをどれだけ学んでも、それを実践するには程遠い現場のほうが多いんですよね…。
そんな職場は、「認知不協和」という人間の習性をもとにマネジメントしたほうが現実的なんです!
その方法は簡単です!
いっそ皆に自分の悪いところを見てもらうということです!
職場のなかで、特定の人だけの悪いところを直そうとしたところでうまくいきません。
それは、他の職員だって多かれ少なかれ悪いところがあって多かれ少なかれ批判の対象となっているはずだからです。
Aさんも悪いけど、Bさんの◯◯なところもアカンと思うんですよね…。
特定の誰かだけが悪いということは、冷静かつ俯瞰的に職場を見てみると実は少ないもんなんです。
ならば、いっそ全員に自分の悪いところを見てもらったほうが同時にいろんなことを解決できるし不公平感がないんじゃないだろうか…と思ったわけです。
幸い日本人は自分の悪いところを見るほうが得意なので、悪いところはいくらでも挙げてもらえます。
職員が行動しやすいということは、組織を動かしやすいということにつながるはずなんです。
『マイナス×マイナス大作戦』の具体的方法
では、皆に自分の悪いところを見てもらうチームマネジメントについて説明していきたいと思います。
この手法を「マイナス×マイナス大作戦」と名付けます。
ただ単に、マイナスとマイナスを掛けたらプラスになりますよってことで、たった今この記事を書きながら名付けました(^_^;)
皆平等にマイナスの修正に取り組んでもらうことを宣言する!
この大作戦は、職場のリーダーがこれを宣言することから始まります。
職員の「マイナス」ばかりに目が向いてしまう集団は、この宣言だけでも効果的です。
誰かの愚痴を言っているその職員にも課題があることってありますよね?
そんなときは、こんなやりとりでそれぞれの「マイナス」に目が向くように導きます。
Aさんが◯◯なんで困るんですよ~!
Aさんには僕が感じたこととしてちゃんと話していきます。
すぐに直ることは難しいかもですが、努力はしてもらいます。
ただ、課題はそれぞれにあると思うんで、Aさんにだけ課題に向き合ってもらうのではなくて、全員に課題に向き合ってもらうようにしたいと思っています。
普段職員から他の職員の不満を聞いたときにこんな話を盛り込んでいきます。
そして、チーム全体にも会議等で宣言しちゃえばいいと思います。
それぞれに「修正」が必要な部分ってあると思うんです。
なので、それぞれに「修正」に努めてもらうようにしていきたいと思います!
この「修正」という言葉はやんわりとして使いやすいですよ!
こんなふうにして、他の職員のことはリーダーが鏡となり「修正」に導くことを宣言し、それぞれに自分自身を見てもらうように導いておけば、それだけで職場の雰囲気は改善されていきます。
そして、それぞれがマイナスの「修正」に努力すれば、必ず何かしらの変化が見えてきます。
マイナスからプラスへの変化は小さくても見えやすいんです!
それに、1人でマイナスの「修正」に取り組むわけではないので、特定の誰かだけが疎外感を感じるようなことはありません。
そうしたなかで、職場の雰囲気の改善がきっと感じられるはずです!
職場のリーダーは覚悟がいるとは思いますが、リーダーも一緒になって自分自身のマイナスの「修正」に取り組んでしまえばいいことで、意外と取り組みやすいと思います!
皆に自分のマイナスとプラスを挙げてもらおう!
宣言が出来たら、それぞれの「マイナス」と「プラス」の部分を挙げてもらいましょう!
できることなら、個人シートか何かに「短所」「長所」「苦手なこと」「得意なこと」といった項目で書いてもらうことをオススメします。
なんだかんだで「プラス」の部分もちゃんと見ながら、「マイナス」部分についても見つめましょうというスタンスです。
「プラス」と「マイナス」は表裏一体のことが多くあるので、「プラス」から「マイナス」、「マイナス」から「プラス」が見えてくることがあります。
例えば、「プラス」面に『元気』と書かれていたとしたら、「マイナス」面として『うるさい』が浮かび上がってくるような感じですね。
仮にその職員に『うるさい』部分を何とかしてほしいと思っていたとしたら、「プラス」面に書かれている『元気』から話を進めていくと、その職員を不快にさせることなく『うるさい』部分に話を導いていくことができます。
そうなると、その職員は指摘されることなく自分の気づきで自分を見つめなおすことができるというわけです!
この面談方法についてはこちらの記事もご覧ください↓
まぁ、こんなふうにして、それぞれが「マイナス」に目を向け始めて、「マイナス」の修正を始めることができたら、まずは職員からの愚痴や不満が劇的に減ります!
そして、チーム全体がそれぞれの努力に目を向けてくれるようになります!
さらには、職員それぞれが自分自身のことに目を向けてくれるように変わっていくんです!
この「マイナス×マイナス大作戦」は経験上かなりの効果が期待できます!
冒頭に「介護現場の人材は多様化し荒れていく…」と書きましたが、荒れてしまった職場もこの方法があれば少しは「荒れ具合」が緩和されるかもしれません!
特に、人の悪いところは指摘するくせに自分の悪いところは見ないタイプの職員がいる場合は、ぜひとも実践してみてください!
やっているうちに、マイナスばかり見ることの無意味さに気づき始める効果もあります。
そうすると、人間プラスに目が向きやすくもなるもんなんです。
この大作戦は、あえてマイナスに目を向けてはいるものの、最終的にはプラスに目を向けることが目的なのです!
まとめ
チームマネジメントを考えるうえで、どうしても信頼できる一部の職員の意見のみを聞いて動いてしまいがちです。
そして、目が向きやすい「悪いところ」を排除していくような動きになってしまいます。
そうすると、不要な人材を排除する流れができてしまいます。
その逆で、「悪いところ」を「マイナスを見ても仕方ない」と捉えて、放置し続けるとどうでしょう??
上司に言っても何もしてくれない!
職場を何とかしたいと思って意見している職員はモチベーションを下げていくことでしょう…。
こうした二つの両極端な職場がどれだけ多いことか…。
そうしたなかで私が実践してきた方法が、この「マイナス×マイナス大作戦」です。
この方法はかなり根気が必要となりますが、やりきっていけばかなりの効果が期待できます。
まずは、各職員の「マイナス」と「プラス」を見てもらうところだけでも始めてみましょう!
徐々にそれぞれが自分の「マイナス」を見ることに慣れてきて、職員の「マイナス」部分について話がしやすくなっていくはずです。
他者の不満って、言うのも聞くのもしんどいですよね…。
でも、きっとなくなりません。
この方法を続けていれば、職員の不満の質がきっと変わっていきます。
「マイナス」面について何かしらの動きをしてくれるリーダーへの信頼から、職員の不満に「期待」が含まれていくはずです!