どうも、ヨウ-Pです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!
新年あけましておめでとうございます!
2018年10月に始めたこのブログもあっという間に1年が過ぎ、2度目の正月を迎えることができました。
ブログを続けるということは読んでいただける方がいてこそなので、今年も介護に関わっておられる皆様が読みたいと思えるような記事をお届けできればと思っています!
新年一発目はできれば明るいネタで書きたいので『介護×笑い×パッチアダムス』で高齢者の笑いのツボと笑いの効果について書きたいと思います。
パッチ・アダムスに学ぶ「笑い」の効果
まずこちらをご覧ください↓
ロビン・ウィリアムスが実在の医師に扮した1998年の映画です。
「ユーモアによる治療が重要」という説を実践した医学生パッチ・アダムスの半生を描いています。
ざっくりとネタバレありであらすじを書いておきます。
パッチ・アダムスは、医師を目指す前、自殺未遂で入院をしていました。
そこにはパッチ同様に精神に問題を抱えた患者が多く入院していて、冷淡な態度の医師たちに心開けずに落ち込むパッチの姿がありました。
そんなとき、パッチを救ったのは患者たちだったんです。
パッチは治療における『笑う」ことの大切さを身をもって体験し、医師の道を目指すことになるのです。
ところが、型にはまったことしか教えられない大学の考えにパッチは納得がいかず、怒られることを承知で勝手に病床の子どもたちを笑わそうとしたのです。
もちろん大学側から怒られるパッチ…。
それでもパッチは、その後も懲りずに患者や職員を笑わそうとします。
「ユーモアによる治療が重要」であるという信念をパッチは貫き通すわけですが、うまくいくことばかりではありませんでした。
そして、どうにかこうにか医師免許を取得し、その後12年間15,000人以上の患者の治療を無料で行ったそうです。
以上が、映画「パッチ・アダムス」のあらすじです。
パッチはこの映画のなかで「患者は患者であると同時に医者でもある」と主張しています。
自殺未遂で入院したときに助けられたのは患者の存在だったからです。
そこにあったのが、「笑い」でした。
その頃の「笑い」は自然な「笑い」だったと思います。
そして、その後パッチが患者に届けた「笑い」の在り方は、クリニクラウン(臨床道化師)でした。
赤い鼻をつけて、面白いことを言って笑わせ、ただただおどけたりして周囲に楽しい気持ちにさせ、時には嬉しい言葉をかけて笑顔を引き出していく…。
この映画を観ていると、治療に「笑い」が大切であることを感じずにはいられないと思います。
まだの方は、ぜひ観てください!
クリニクラウンの活動は、パッチ・アダムスの活動の後、全世界に広がっていきます。
日本でも、映画「パッチ・アダムス」の上映等の影響もあって小規模ながらクリニクラウンの活動が始まったそうです。
ところが、他の国に比べて日本はクリニクラウンの活動は遅れているようなんです…。
なぜでしょうか??
そこには文化の違い等の影響があるとは思うんですが、私としては日本の「笑い」の特殊性にも原因があるんではないかと思うのです。
日本の「笑い」の特殊性
例えば、私たちの前にピエロが現われ笑わそうとしたとします。
何人の人が笑うでしょうか?
日本ではそもそも興味さえ持たない人のが多いのが現実だと思います。
なぜなんでしょうか??
ここにも、文化の問題だけではない日本の「笑い」の特殊性があると思うんです。
「面白い」から生まれる「笑い」
昔は「笑い」と言えば関西のものといった風潮がありましたが、度重なるお笑いブームを経て、今や「笑い」は日本全国共通の文化と言えると思います。
東北のサンドウィッチマンに、九州の博多華丸・大吉、北から南まであらゆる特徴をもった漫才師やコント師が現われています。
M1グランプリの審査なんかも、「笑い」のツボがそれぞれに違うことを象徴していますよね。
日本人が「面白い」と思うことは本当に人それぞれ違うんです。
日本の「笑い」は、「面白い」がベースにあることが多いんでしょうね。
でも、「面白い」ってあいまいな表現だと思いませんか?
私が思う「面白い」の捉え方はこうです。
日本人の場合は、さまざまな情報を頭の中で考えたうえで「面白い」と判断しているんじゃないかって思います。
直感的なのは、「面白い」というより「楽しい」が近いですかねぇ。
「面白い」をこのように定義したとしたら、日本人を笑わすのって大変ですよね(^_^;)
人それぞれ何を「面白い」と思うかは違うわけですから…。
さて、ピエロの話に戻しますが、ピエロって「面白い」より「楽しい」感覚での「笑い」じゃないかって思うんですよね。
だから、子どもたちにはそんな「楽しい」のほうが「笑い」が起きやすいと思うんです。
「楽しい」から生まれる「笑い」
子どもはどんなことでも笑いますよね(^_^;)
「うん◯」と言うだけで爆笑したりします。
考えて笑う「面白い」の要素はさほど必要ありません。
「楽しい」が「笑い」につながるんです!
だから、日本ももっともっとクラニクラウンの活動を広げていくべきだと思うんですよね。
ただ…、日本の子どもたちの「笑い」の意識は結構高まってますよ~。
確かにそう思うんですが、大丈夫です!
一度、ピエロの方の研修を受けたことがあるんですが、結構面白かったんです!
おそらく、日本の「笑い」を考えて、いろいろ勉強されているんでしょうね!
日本には日本の「笑い」の精神をもったクラニクラウンが必要なのかもしれませんね!
さて、話を戻しますが、「楽しい」から生まれる「笑い」もあるということについて書いていきます。
「楽しい」というのは、直感的な「笑い」だと書きましたが、あまり考えずに笑えるようなものだと思っています。
見た目や動きで笑えるような「笑い」です。
よくアメリカと日本の「笑い」が比較されることがありますが、日本に比べるとアメリカの「笑い」はシンプルなものが多いですよね。
分かりやすい「笑い」なんです。
海外では日本のように高度な「面白さ」を求める文化はないですし、シンプルなことでよく笑っているイメージが外国人にはありますよね(^_^)
でも、これって、日本人だって「楽しい」で笑える人はたくさんいるんです!
「面白い」じゃなきゃ笑えない人だって「楽しい」で笑えることがあるんです!
何なら場の雰囲気で楽しくなってきて笑っていることもあります。
「面白い」から笑い、「楽しい」から笑う!
そして、あと一つ…。
忘れてはいけないのが「嬉しい」ときです。
「嬉しい」から生まれる「笑い」
人は「嬉しい」ときに自然と笑ってしまいます。
「楽しい」と一緒で直感的なものですね!
例えば病院にいる子どもたちはクラニクラウンが来てくれただけで嬉しくて笑ってしまうこともあると思います。
これから「楽しい」ことが待っていると考えるだけで「嬉しい」んです。
好きな人が来てくれて、それだけで「嬉しい」こともあるんです。
相手が「嬉しい」と思えるような存在になる。
それだけで「笑い」につながることがあります。
これなら「楽しい」「面白い」が苦手な人でも、目指せる「笑い」だと思いませんか?
…もう分って頂けたと思うんですが、日本人はどうも「笑い」=「面白い」と考えてしまうんですよね。
でも、「笑い」は「面白い」だけでなく、「楽しい」「嬉しい」からも生まれるんです。
そして、「面白い」「楽しい」「嬉しい」のそれぞれにツボがあるわけです。
「面白い」にこだわりすぎると、結果「笑い」を乏しくしてしまいますよ~。
「笑い」の種類を使い分けよう!
「笑い」のツボに種類があることが分かったら、あとはそれを使い分けていけばいいということです。
介護施設においては、高齢者の「笑い」のツボを種類分けして考えていけばいいわけです。
ちなみに、私の場合は、「面白い」を考えるのが得意なので、利用者さんの「笑い」のツボを探りながら「面白い」だろうことを提供させていただきます。
「面白い」ところから利用者さんに安心感を与えて「嬉しい」「楽しい」につなげていくイメージです。
要するに、結局は「嬉しい」「楽しい」という直感的な「笑い」につなげることができて、「笑い」は日常にあふれていくということです。
これはあくまで私の場合で、「笑い」は「面白い」にこだわる必要なんてないんです。
では、「面白い」を省いて、介護現場の「笑い」を考えていきましょう。
「嬉しい」「楽しい」は直感的なものだと書きましたが、そこにいる相手であったり、その場の雰囲気の影響を受ける「笑い」なんです。
よく介護施設ではこんなことが言われます。
あんなレク楽しいかな~??
俺やったらやりたないわぁ。
お遊戯みたいなことして、幼稚園みたい~!
ごもっともな意見のように聞こえますが、経験上意外とそういうことが嫌いそうな人が楽しまれていることが多いんです。
おそらく、雰囲気で楽しまれたり、職員にのせられたりするんだと思います。
実は、私自身もレクなんてもっぱらゴメンな人間だったのですが、今ではやるのも参加するのも楽しめるようになってしまいました(^_^;)
「嬉しい」「楽しい」は、いくら「面白い」と思えない内容であっても、その場の雰囲気や職員の雰囲気などの影響で心を動かせることがあるんです。
これはレクだけでなく、日常のなかでもどんどん意識的に取り入れるべきだと思います。
職員は笑顔のほうがいいし、優しい口調のほうがいいし、身のこなしも上品なほうがよくて、そこから「嬉しい」が芽生え、そこから「笑い」が生まれます。
職員が利用者さん同士の架け橋が上手で、職員同士の関係も良くてどこか居心地の良さがある空間だと、それだけで「楽しい」が芽生え、そこから「笑い」が生まれます。
ここに書いたことはほんの一例です。
とにもかくにも、人それぞれの「楽しい」「嬉しい」のツボを探して、「笑い」につなげてみましょう!
そうすれば、「笑い」はおのずと広がっていくはずです。
もしかしたら、その先に「あれだけ苦手だったあの人がレクに参加された…」なんてこともあるかもしれません。
「面白い」と思えることだって増えていくかもしれません!
そうやって、いろんな「笑い」のツボを使い分けて支援することが大事なのです!
ノーマン・カズンズに学ぶ「笑い」の治療効果
最後に、より介護現場に積極的に「笑い」を取り入れてもらうために、「笑い」の治療効果についてもう少し触れておきます。
まずこちらの記事をご覧ください↓
「笑い」と「治療」を語る上で、パッチ・アダムスの他に忘れてはいけないのが、ノーマン・カズンズです。
ノーマン・カズンズは、治る割合が1/500万の難病にかかり、ビタミンCの大量摂取とたくさん笑うことで奇跡的回復を成し遂げたのです。
上の記事にこう書かれています。
それまで激痛で十分に眠ることができなかったカズンズ氏ですが、30分間大笑いしてからは2時間熟睡できるようになったのです。
2時間後に痛みで目が覚めたら、また30分間ビデオを見てゲラゲラ笑って、また2時間寝る、ということを繰り返しました。
スゴイですよね!!
そして、こうも書かれています。
なぜ痛みが和らいだのかというと、その後の研究で笑うと脳からβエンドルフィンという鎮痛作用のあるホルモン(別名「脳内モルヒネ」)が出ることがわかっています。
「笑い」の力で痛みが和らぐかもしれない!?
・・・だとしたら、痛みで悩む利用者のADLの向上も夢ではないかもしれませんね!
まとめ
私が、日々の介護の仕事のなかで大切にしてきたのが「笑い」です。
「笑い」は介護をしやすくさせてくれるだけでなく、チーム作りをしていく上での潤滑剤にもなってくれるんです。
初めて「パッチ・アダムス」を観たのは介護の仕事をし始めた頃だったでしょうか…。
とても感動するとともに、私が介護現場でどんな「笑い」を求めるべきか考えさせられてものです。
そして、20年近くを経て、たどり着いたのがこの記事です。
もう少し補足すれば「笑い」の表現の仕方は人それぞれであることも忘れてはいけませんね。
バカ笑いする人もいれば、上品に「くすくす」としか笑わない人もいます。
最近で言えば、笑わない男・ラグビーの稲垣選手のように顔には出ずに心で笑っている人もいるかもしれませんしね(^_^;)
いずれにせよ、皆様もぜひ一度「笑い」について考えてみてください!
何か介護のヒントが見えてくるはずです!
では、年始にこちらの記事で初笑いしてください↓
※ニヤニヤレベルです(-_-;)