どうも、YO-PRINCEです。
老健や特養の入所型施設で働いていると、「家」のような介護にあこがれるわけですが、どうしても限界があります。
どれだけ頑張っても「施設」は「施設」だからです。
とはいえ、そんな元も子もないようなことを言っていてはつまらんので、あらゆる工夫を考えて介護を楽しみたいものです。
Twitterの#介護にまつわる小さな引き出し でこんなツイートをしました。
個浴が推奨される時代やけど、うちは大浴槽。
— ヨウ-P@介護福祉士×ブログ漫才師 (@s_y_prince) 2019年1月31日
入浴拒否の方に他の利用者さんから『一緒に行かへんか~』って誘ってもらって連れション的にお風呂に行ってもらえる。#介護にまつわる小さな引き出し
このツイートについて解説していくとともに、施設のなかを「地域」として捉えた取り組みをいくつか紹介したいと思います。
個浴推奨の時代に大浴槽の挑戦!
特養も老健も、施設の浴槽と言えば昔は大浴槽でした。
大浴槽での入浴が難しい方はリフトで入浴したり、それが無理ながら抱えて入浴したりもしていたような時代がありました。
浴槽に抱えて入浴するなんて今では考えられないような介護です。
どう考えても危ないですよね(^_^;)
そして、時代は個浴推奨の時代へ。。。
個浴についてはこちらの記事で書いています↓
個浴は何より安全であり、安全ということは安心して安楽に入れるということです。
その反面、大浴槽は要介護状態の方にとっては危険がいっぱいです。
一番の危険は広さにあって、広いということは溺れやすいというリスクがあります。
そんな大浴槽ですが、まだまだ大浴槽の施設が多くあると思います。
理想としては個浴に変えるべきと思っていますが、それが難しい施設も多いと思います。
そんな場合、いったん立ち止まって大浴槽の良さも考えてみるべきだと思っています。
その結果が冒頭ツイートです。
大浴槽の良さは「温泉」のような感覚です。
私たちが、旅に出て旅館などに泊まったとき、できることなら大きなお風呂に入りたいと思う人が多いと思います。
そして、一緒に旅に行った仲間や家族と「お風呂行こか~!」と誘い合ってお風呂に入るはずです。
もちろん1人でゆっくりとお風呂に入りたいという人もいると思いますが、今やスーパー銭湯があちこちにできるぐらいに大きなお風呂に好んで入ります。
大浴槽には個浴では味わえない心地良さがあります。
この場合のお風呂は「家」で入るというお風呂の感覚ではなく、「外出」してお風呂に入るという感覚のお風呂です。
ユニット型特養やグループホームなどの施設では、「家」に近い環境が用意されており、ユニットの中に入るお風呂であれば「家」で入るお風呂でよいと思います。
従来型特養等で、まだ大浴槽を使われている施設があれば、ぜひとも「外出」先のお風呂という感覚でお風呂を位置付けてしまってはどうでしょうか?
連れションのような感覚で入浴拒否のある利用者さんをお風呂に誘えたりするかもしれませんし、個浴にはないお風呂を味わってもらえるかもしれません。
ちなみにユニット型特養であっても、同敷地内のデイ等に大浴槽があるのであれば、そこを「銭湯」と位置付けて、たまには「外出」先でのお風呂の感覚を味わってもらうのもよいでしょう!
ただし、前述のとおり大浴槽はリスクの高まる環境ですので、福祉用具を活用する等して安全に入れる工夫には力を入れて行かれた方がよいと思います。
施設のなかに「地域」を描く
お風呂も捉え方一つで、「家」で入るお風呂と「外出」先で入るお風呂と二つの視点で捉えることができます。
これは、施設という場所を「地域」として捉えるからこそ生まれる発想です。
さて、施設という場所を「地域」として捉えた時に生まれるアイデアをいくつか紹介したいと思います。
回覧板を作る
何か施設内でイベントがあるときにポスターを貼っていたのですが、ここが住んでる「家」だとしたら画用紙に書いたようなポスターなんか貼らんよな・・・って思うことあったとき、回覧板を思いついたんです。
回覧板なら皆様なじみがあるだろうし、皆の目に確実に入っていくなと思ったんです。
ユニットが「家」だとしたら、そこに回覧板が届いて、利用者さんにサインしてもらえばいい!
ステキなアイデアだと思いました。
字を書くようなことって日頃ないわけですが、回覧板があることで字を書く機会ができるんです!
それだけでも素晴らしいですよね!
家族向けに認知症サポーター養成講座を開催
これも施設内を「地域」として捉えた取り組みでした。
どういうことかと言うと、施設内には利用者さんのご家族の出入りが当然のことながら日々あって、利用者さんとってはほぼ他人なわけです。
他人とは言っても、その施設に住む近所の方々のご家族ということになります。
在宅の場合で考えると、地域で認知症の方が安心して暮らせるためには、地域住民の認知症への理解が必要となります。
認知症に理解のある住民が増えれば、ある認知症の人が道に迷うようなことがあってもさりげなく地域住民がフォローできるかもしれない!
そのための全国的な取り組みが「認知症サポーター養成」です。
詳しくはこちらをご覧ください↓
施設を「地域」として捉えた時、この地域に出入りする利用者さんのご家族に「認知症サポーター」になってもらおうと思ったのです。
実際、ご家族が面会に来られたときに、他の認知症の利用者さんの対応に困られたケースがあったんです。
利用者さんのご家族も施設という「地域」のなかでは「社会資源」なのです。
石焼き芋
秋になると焼き芋を焼くという行事。
これ自体は普通ですよね。
外で焼き芋焼いて利用者さんに食べに来てもらうんです。
それでは面白くないと思った私は、施設を「地域」として捉えて、焼けた芋を利用者さんにお届けしようと思ったわけです。
「いしや~きいも~!おいも!」
昔は地域のなかを焼き芋さんが巡回した時代があったのです!
拡声器を持ってそれを再現しよう!
回想法にもなりうるこの行事は私のおススメ行事です(^_^)
まとめ
施設のなかを地域として捉えたら、介護が変わるような気がしませんか?
何事も捉えようです。
ここにあげた例は全て実際に取り組んだ成功例です。
ぜひともご活用ください!
そして、もう一つ大事なのは、施設の外側になる地域とのツナガリです。
地域のなかにある「施設」として何かできることはないか?
また、そんな記事も書きたいと思います。