どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!
今回は、こちらのツイートを解説をしていきたいと思います。
転倒リスクの高い利用者さんが一人で歩いているのを発見⚠️
— ヨウ-P@介護福祉士×ブログ漫才師 (@s_y_prince) 2020年1月18日
『○○さん!』と呼び止めたくなるけど呼んではいけない🙅♂️
特に後ろから呼ぶのは最悪😩
バランスを崩して転倒リスクを高めてしまう⚠️
そっと利用者さんの視界に入り安全確保してゆっくり対応するのが正解🙆♂️#介護にまつわる小さな引き出し
これは介護現場のあるあるなんですけど、なかなかなくならないんです。
呼び止める対応がなぜダメなのかを深堀りしながら、そっと見守る方法をすべきなのかを整理していきたいと思います。
- 転倒リスクの高い利用者の1人歩きを発見したときの対応の実際
- 大声で呼び止める職員の気持ちから考えること
- そっと利用者の視界に入り見守る対応は最善なのか!?
- 忍者のようにそっと素早く視界に入っているからこその最善なのだ!
- まとめ
転倒リスクの高い利用者の1人歩きを発見したときの対応の実際
(あっ!Aさんが1人で歩いてる!?そっと声かけなきゃ…)
Aさん1人で歩いてるで!
Aさん!
ちょっと待って!
(え~!?そんな大声で急に呼んだら危ないやん(+o+))
転倒リスクの高い利用者が1人で歩かれているときに、こんな場面があると思います。
そんな利用者を発見して、急に呼び止めては危ないと判断してそっと声をかけようとしているところへ、それを次に発見した職員が「危ない!」と感じたままに直感的に動いてしまうという光景…。
大声で利用者さんを呼び止め、かつ、その利用者さんのもとへ駆けつける職員。
それを傍から見ていてヒヤヒヤする職員。
あるいは、すぐに駆けつけてくれてよかったと思う職員。
転倒リスクの高い利用者の1人歩きへの対応は、介護現場で二分します。
そして、二分した考え方は、そのまま歩み寄ることのないままになってしまうことが多くあります。
どちらが正しいのでしょうか?
結論から先に言えば、冒頭ツイートのとおり、大声で呼び止めることが間違いです。
ですが、その間違いは指摘されないことが多くあるのです。
なぜなら、利用者に危険に直面している状況で危険回避を優先することは一見当たり前のことなので指摘しにくいということに加えて、大声で呼び止めてしまう職員は直感的に動いてしまうので変わらないだろうと周囲も思っているので話し合おうとならないことが多いからです。
ですが、そのままでは転倒リスクは高まる一方です…。
さて、どうしていきましょう??
大声で呼び止める職員の気持ちから考えること
まずは、大声で呼び止める職員の気持ちを考えてみましょう。
じっと見てて、その間に転倒したらどうすんの!?
「職員は何してたんですか?」ってなるやろ?
こんなふうに思っておられることと思います。
もっともな言い分ですよね…。
では、この考え方の何がいけないというのでしょうか??
転倒する可能性を考えてみる
利用者が1人歩きしていて転倒するときってどんなときなんでしょうか?
多くの場合は、その利用者は数m歩いておられるところを発見というケースが多いと思います。
なんとかバランスを取りながら1人歩きされている状況です。
そうした方が転倒することがあるとすれば、こんな時だと思います。
- 不意の膝折れがあったとき
- 体調が悪いとき
- バランスを崩したとき
この3つが転倒する原因となりうると仮定して考えてみます。
不意の膝折れがあったとき
膝折れがあるかどうかというのは、介護をするうえで把握できることと思います。
頻繁に膝折れがあるのか?
まれにしか膝折れがないのか?
どんなときに起こるのか?
膝折れの頻度や原因について、日々の介護のなかでアセスメントすることは大切なことですよね。
頻繁に膝折れがある方であれば、かなり転倒リスクは高いということになります。
まれにしか膝折れが起きない方であれば、転倒リスクがかなり下がります。
あとは、長く歩かれているときに膝折れが起こるのであれば、歩かれている距離によっては転倒リスクが変わることになりますし、何も持たずに歩かれているときに膝折れが起こるのであれば、歩かれている状況によって転倒リスクが変わることになります。
不意の膝折れの可能性を予測して大声で呼び止めたのであれば、大声で呼び止める職員の気持ちも理解できますよね。
体調が悪いとき
体調が悪いときは当然のことながら、転倒リスクは高まります。
Aさん、今日38.5℃熱があんねん!
フラフラしてはるんや!
そんなときは、呼び止めたくもなりますよね(^_^;)
大声が出るのも分かります…。
バランスを崩したとき
バランスを崩すときってどんなときなんでしょう?
これを知っておくと、大声で呼び止めることが逆に転倒リスクを高めることが見えてきます。
バランスを崩すときは、動作を変えたときなんです。
どんなときかと言うと…
- 歩きはじめ
- どこかに座ろうとしているとき
- 方向転換するとき
- 不意に立ち止まったとき
例えばこんな感じですね。
逆に言えば、何とか歩ける方が普通にまっすぐ歩いておられるときはバランスを崩しにくいということになります。
普通に歩かれている方を不意に呼び止めたらどうなるでしょうか??
不意に立ち止まったら、立ち止まろうとして前後のバランスが崩れうるとともに、振り返ろうものならバランスの崩れは確実です!
不意の膝折れのリスクが高い場合や体調不良でリスクが高い場合は確かにすぐの対応が必要なのですが、呼び止めることによってバランスを崩すという最悪事態を招いてしまいます。
呼び止めなければ防げた事故ということになってしまうということです。
となると、呼び止める職員はやはり間違っていて、そっと利用者の視界に入る職員が正解となりますが、本当にそうなのかをもう少し深堀りしてみたいと思います。
ちなみに、発見したときにバランスを崩してしまっていたとしたら、それはもう時すでに遅しです…。
そっと利用者の視界に入り見守る対応は最善なのか!?
冒頭ツイートでは、呼び止めることは間違いで、そっと利用者の視界に入り安全を確保してから対応することを正解としています。
利用者が何とかまっすぐに歩いておられる状態なのであればバランスは崩しにくく、その対応で問題ないことでしょう。
ですが、こんなときはどうでしょう??
前述のように不意の膝折れの可能性が高い利用者や体調が悪い利用者が1人歩きしているときは、それでいいんでしょうか?
もっと言えば、トイレの扉を開けようとバランスが崩れることが予測できる状態で発見したとすればどうでしょうか?
発見した今まさに転倒のリスクが高まっているってときに、そっと視界に入り見守るということでよいんでしょうか??
急ぐべき状況のときって当然あるんですよね。
大声出して駆けつけないといけないような気にもなってきます…。
そう考えると、「そっと利用者の視界に入る」という対応は最善じゃないように思えてきますよね…。
では、「そっと利用者の視界に入る」という対応についてさらに深堀りしてみることにしましょう。
忍者のようにそっと素早く視界に入っているからこその最善なのだ!
「そっと」や「あせらず」といった言葉でこの対応を表現してしまうと誤解される方もおられるかもしれませんが、この対応では職員の行動自体は実は急いでいるという前提があります。
実際、私が対応する時は、大声で呼び止めて駆けつける職員と同じぐらいの速さで利用者の視界に入っています。
とはいえ、利用者の元へ向かうときの速さは状況によって変えることがあります。
日々の歩行状態や、そのときの体調等を把握して、転倒のリスクがどれだけあるかを見極めながら、利用者の元へ向かうので、ときには歩いていることもあります。
ただ、ちゃんと見極めてゆっくりあせらず対応しているときに、他の職員からこんなことを言われたりすることがあるんですよね…。
なんでヨウ-Pさんは急いでないんやろ?
転倒したらどうすんねやろ??
周囲からそんなことを言われるのも面白くないので、基本的にはリスクが小さくても急ぐようにしています(^_^;)
小さいリスクでも一応リスクと捉えて急いでおく!
周囲の目も気にして余計な誤解を生まないように急いでおく!
これが、最善の「そっと利用者の視界に入り見守る対応」です!
1人歩きの転倒リスクを回避する最善の対応をまとめるとこんな感じですね↓
大声で呼び止めることはもちろんしない!
バタバタと駆けつけることはもちろんしない!
歩くことを危ないと思っていない利用者にそんなことをしたら不穏になられます。
そうではなくて、忍者のように早足で静かに利用者のそばへ行きます!
そして、利用者を振り向かせたりすることなくバランスの崩れない状態で利用者の視界にそっと入って安全確保!
そこからゆっくりと対応すれば、利用者を不穏にすることなく後の対応もスムーズというわけです!
まとめ
1人歩きの転倒リスクの回避方法は、簡単に言ってしまえば「そっと利用者の視界に入り見守る対応」が正解です。
ですが、実際の対応のなかでは、この言葉だけでは説明しきれない対応があります。
介護ってそういう側面があるんですよね。
言葉だけが1人歩きして、「そっと利用者の視界に入り見守る対応」と「大声で呼び止めて駆けつける対応」が対立関係になってしまったりすることも多々あります。
そうではないということをグダグタと記事にしてみましたが、伝わりましたでしょうか(^_^;)
介護というのは、ちゃんとアセスメントしたうえで、どう対応することが最善かを考えて対応しているものなんですよね。
最終的な結論は、「忍者のように早足で静かに利用者のそばへ行く」と書いていますが、アセスメントした結果によっては歩いてそばに行っていいときもあるんです。
そこはしっかりと押さえていただきたいなと思います。
それともう一つ押さえておいていただきたいのが、そうすることで利用者を不穏にさせずその後の対応ができるということ!
介護はそのときのことだけでなく、その後のことも考えて行うということもしっかりと押さえておきましょう!
この記事を書きながら思ったのですが、介護って忍びの心が必要ですよね。
忍びとは?
⇒人に知られないように、ひそかに物事をすること。
みなさんも、忍びの心で事故防止に努めてみましょう!
リスクへの対策については他にも記事を書いています。
こちらも参考にしてみてください↓