どうも、お笑い大好きなYO-PRINCEです。
吉本興業が闇営業問題からの内部紛争(?)で揺れています。
組織がしっかりしていないと、何かが起きると脆いんですよね(-_-;)
それは介護業界にも言えること。
2000年に始まった介護保険制度下での介護経営の歴史は浅いです。
他業界と比べても未熟な部分は多いと感じます。
前回、介護施設のコンプライアンスについての記事を書きました。
今回の記事では「介護×吉本興業」で介護現場のコンプライアンスの実態を見つめなおしつつ、どうあるべきかを探ってみたいと思います。
求められるコンプライアンス
今回の吉本興業の闇営業問題。
コンプライアンスの徹底が求められています。
コンプライアンスとは、法令遵守のことで、これには企業倫理・就業規則・マニュアル等を守ることも含まれます。
吉本興業のコンプライアンスの徹底については、反社会的勢力の排除が一番の目的なんだと思いますが、そもそもコンプライアンスが機能しにくい状況があるようで、そのあたりも見直されていくことになるんでしょうね・・・。
会社と芸人の契約書がない?
ギャラは会社9:芸人1?
コンプライアンスが当たり前になっている時代にもかかわらず、こんな時代遅れの雇用関係が・・・。
芸人さんの世界は私たちの世界とは違うだろうから私たちとは比較しにくいところもあるんだろうなと思いますが、芸人さんたちの不満が次々と上がってきたり、ビートたけしさんや松本人志さん、明石屋さんまさんらも、今の吉本興業批判をされているところを見ると、芸人の世界とはいえやはり吉本興業は時代錯誤なのでしょう(^_^;)
ちょっと回りくどく言いましたが、メディアの情報だけで判断するのは嫌いなほうなので・・・すみません(^_^;)
まぁ、あの社長さんの会見ではどう見てもありえないですけどね・・・(-_-;)
いずれにせよ、介護業界もまたコンプライアンスには弱い業界なんで、よそのことを言っている場合でもないんです・・・。
介護業界もコンプライアンスは弱い!その理由とは?
介護保険制度が始まる2000年までは、措置制度でした。
措置制度というのは、利用者にサービスを選ぶ権利はなく、行政の権限でサービス利用が決まる仕組みで、サービス料などはすべて税金が財源となっていました。
そのため施設に競争原理は働かず、サービスの質の向上が見込めにくい環境だったのです。
言わばぬるま湯状態でした。
介護保険制度が始まり、利用者との契約関係となると、選ばれる施設になっていくことが求められ、急激にコンプライアンスが求められるようになりました。
コンプライアンスは、サービスの質を向上していこうと思えば最低限必要なことだからです。
法を守る・・・当たり前のことなんですが、そこが弱い介護業界!
措置制度の時代に「経営」という感覚が育てられていない組織が「経営」を求められるようになり、加えて「介護保険制度」という新たな制度の理解も求められ、実際のところ介護施設はあらゆる点で経営ノウハウの習得が追い付いていないように感じます。
コンプライアンスへの意識が追い付いていないんです。
例えば介護保険制度・・・。
介護保険制度は3年ごとに介護報酬、5年ごとに介護保険法そのものの改正がされることとなっています。
この時点でややこしい制度であることが分かると思いますが、改正のたびに介護現場はそこに頭を悩ませているのです。
どう変わるか?ということが毎回注目されますが、現場の本音は・・・。
どんだけ変わんねん(ー_ー)!!
・・・です(^_^;)
変わりすぎて介護保険制度の理解さえ追い付いていない管理者・経営者がどれだけいることか・・・。
介護施設が理解すべきは、もちろんそこだけじゃないんですよね。
吉本興業も抱えている労務管理の問題。
介護保険制度だけでないコンプライアンスの問題。
人材確保、人材育成の問題。
危機管理の問題。
社会福祉法人に義務化された地域貢献の問題。
労働安全衛生やメンタルヘルスの問題。
・・・などなど。
そうしたあらゆることを総合的に理解しながら、安定した経営が出来るようにしなければいけないのが介護施設の経営者です。
経営者サイドにコンプライアンスの徹底がなされていなければ、全社的にコンプライアンスを徹底していくことなどできませんよね・・・。
コンプライアンスは、まずは経営者の意識なわけです。
ところが、経営者の意識だけ高くてもコンプライアンスの徹底はできません。
組織の規模が大きくなればなるほど、それは難しくなっていくわけですから・・・。
コンプライアンスを推進するための人材が足りない!
組織が大きくなった分だけ、コンプライアンスに対して十分な理解のある人材の数が必要になります。
当然のことですよね・・・。
ところが、小さい規模の組織でもコンプライアンスに強い人材が不足していることが多いです。
何度も言いますが、介護保険制度の理解だけでも精一杯なんです・・・(^_^;)
これが組織規模が大きくなったとき、コンプライアンスを推進できる人材がどれだけいるというのでしょう・・・。
理解だけじゃダメで推進する力が必要なのです。
吉本興業が抱えている問題は、介護業界の多くが抱えている問題でもあり、もしかしたら他の業界においても同じような問題が起きているような気がしてなりません。
これだけ価値観が多様化した時代においてはコンプライアンスはかなりの難題なのです。
でも、言うまでもなくコンプライアンスは基本です。
介護経営者は今すぐそのことに気づき手を打たなければ手遅れになってしまいます。
理解があって推進力があっても難しいのであれば、すべきことは一つ!
コンプライアンスを徹底するための仕組みをちりばめることです。
定期的な研修会、定期的な社内アナウンス、出来ることは今すぐやりましょう!
吉本興業のことを言っている場合ではありません!
間違った介護ファーストとやるべき介護ファースト
吉本興業の問題で松本人志さんがこんな苦言を呈しています。
あいつら、いつから偉そうになった、という思いはあって、昨日も会社に行って言ったんですけど、“芸人ファースト”じゃないと何も意味がない。『芸人がいてのあんたたちでしょ』ということは言わないといけないです。
話は変わりますが、介護施設でよく起こる介護ファーストがあります。
介護現場の管理者に有能な人材を置き、現場をまとめてもらい稼働率も高める!
これだけ見れば一見間違いとは思えませんが、そこを重んじすぎるがゆえに、経営サイドに有能な人材を置けないという状況がよく起こります。
ツイッターをやっていると、そんな介護現場が多くあるように思えてなりません。
実際、いろんなところでそんな話はよく聞きます。
ある意味介護ファーストなんでしょうが、継続性という点で見れば極めて弱く、「いま」しか見ていない介護ファーストになってしまっています。
本当の介護ファーストはそうじゃありません。
話を戻しますと、松本人志さんも言っている「芸人ファースト」は「働きやすさ」という視点ですよね。
これは今の時代当たり前の感覚です。
介護ファーストは、介護現場の働きやすさを第一に考えるということです。
その結果として、介護サービスの質が高まり顧客ファーストへとつながり、稼働率も上がるのです。
本当の介護ファーストを考えるのであれば、経営サイドにたたき上げの有能な人材を配置していくしかないと思います。
そうすれば職場は活気づいて新たな才能が生まれるはずですし、何より風通しがよくなります。
この風通しこそが、コンプライアンスの近道なのです。
介護現場の頑張りに頼っているような経営は持続力がないですし、いつか力尽きてしまいます・・・。
まとめ
吉本興業の何が問題なのか分からなくなってきた今回の騒動。
ただのお家騒動と言ってしまえばそれまでですが、私としてはいろいろ学ばせてもらいました(^_^;)
コンプライアンスは介護業界だってまだまだですし、介護ファーストもほど遠いです。
どんな手を打ったとしても、吉本興業だって介護業界だってすぐには良くならないと思います。
そんななか、今すぐできることは「個」の力に頼るしかないのかなと思います。
例えば吉本興業・・・。
明石屋さんまさん、松本人志さん、加藤浩次さん、宮迫博之さん、田村亮さん・・・
他のベテラン芸人さんから中堅芸人さん、水面下で動いておられる芸人さんもいると思います。
それぞれの行動が吉本興業という会社を変えようとしているのではないでしょうか?
ひと昔前なら会社を変えるなんて無理な話でしたが、変わるかも・・・って思えるような「個」の力が働いています。
みなさんの組織でも今の自分にできることがあるかもしれません。
松本人志さんのような立場で仲介するか?
加藤浩次さんのような立場で切り込むか?
田村亮さんのような立場で純粋な心で叫ぶか?
中堅芸人の立場でツイッターで叫ぶか?
それぞれの立場がつながっていけば組織は変えられる時代だと感じています。