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【在宅介護】訪問・通い・宿泊?あなたの専門性が発揮できるのはどの介護?


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どうも、YO-PRINCEです。

こちら「介護×物語×舞台」をテーマに書いた記事です↓ 

この記事の中で、在宅の介護士と施設の介護士の違いを以下の通りにまとめました。

在宅の介護士は名脇役だ!

施設の介護士は準主役だ!

詳しくは上の記事を読んでいただくこととして、今回の記事では、在宅サービスの「訪問・通い・宿泊」の3つのサービスにおける介護士の専門性の違いについて書いていきたいと思います。

引き続き「介護×物語×舞台」をテーマとしてまとめました。

最前線で活躍する訪問介護

物語のほとんどの時間は、「家」という狭い舞台のなかで繰り広げられます。

その「家」に飛び込んでいく、言わば最前線で活躍する介護士が訪問介護です。

私自身、訪問介護の経験はないのですが、居宅ケアマネをしたときの関わりのなかで初めて知ることがたくさんありました。

きっと体験しないと見えてこないことはたくさんあると思いますが、見聞きしているだけでもその難しさや大変さを感じることができます。

まず、訪問介護の介護士は、主役のもとへ一人(二人の場合もある)で向かうわけです。

主役と相性が合わなくても、主役が怖い人でも、1人で立ち向かい、オムツ交換や入浴介助といった身体介護、調理や掃除・洗濯といった生活援助を限られた時間内で施し、また次の主役のもとへ向かうわけです。

主役がいろいろ求めてきても当然介護保険制度上できないこともあり、そこをうまく断ったりして切り抜けたりすることも日常茶飯事です。

そんな訪問介護の介護士は、日々の主役の生活を一番感じ把握できる立場にいます。

主役が「家」という舞台の中でしか見せない顔や生活の変化については誰よりもよく知っていると言っていいんじゃないかと思います。

そして、主役の持つ力を把握しながら「自立支援」的な関わりをしていくことになります。

30分や45分という短い時間の中で主役との関係づくりをしながら、やらなければいけないことをやって、そのうえでそうした観察と自立支援の関わり・・・というのはかなり高度ですよね・・・。

訪問介護は、いろんな主役のそれぞれに異なる「家」という舞台にあがり、次から次へと名脇役となっていくということは、かなりの柔軟性が求められると思います。

自分のテリトリーで仲間に相談しながら介護ができる他の事業形態から考えても、その難しさがうかがい知れます。

ちなみに私は調理が全くできないので、訪問介護の「生活援助」なんかは絶対に無理です(^_^;)

訪問介護って、介護福祉士の下位資格だったホームヘルパーの資格で出来る仕事っていうイメージのために、その分専門性が低いような誤解が生じていることがあります。
実際はそんなこと全くもってありません!
訪問介護の専門性って、それぞれに違う主役の「家」という舞台で、介護の技術や知識をフル活用して自立支援につなげるという適応力の高さにあると感じます。
それに1人で訪問し介護をするというのは度胸がいりますよね(^_^;)

どんな人が訪問介護に合ってるんでしょうか?

1人で訪問し代わりが効かない状況なので、高いコミュニケーション能力は求められると思います。あとは先ほどもあげた適応力の高さでしょうか。そうなると一介護士に求められることが多くなりすぎてしまうので、適材適所で訪問先を分けてもらえる訪問介護事業所が理想かな…と思います。

芸術家肌の介護士は通所サービス向き?

私は通所介護・通所リハビリの両方の経験をしてきました。

通所系サービスのイメージは、「ボケるからとりあえずデイに行ったほうがいい」・・・そんな感覚がまだまだ残っているんじゃないかと思います。

でも、本来はそうではありません。

では、ここでもそれぞれの人生を物語にたとえて説明していきたいと思います。

まず、主役が「利用者」の物語から、主役が「デイ」の物語へと変わります。

・・・いやいや、違いますよね(--;)

「デイ」が主役になってはいけないということは当たり前のことなんですが、利用者みんなデイのプログラムどおりにしよう!という風潮のデイってまだまだ多いと思います。

それだとこうなります↓

Aさんお風呂拒否されてるんですけど、入ってもらわないとまずいですよね!

Bさん、なんでレク出ないんですか?次は出てくださいね!

デイではお風呂に入らないといけないし、レクに参加しないといけない・・・。

あるいは参加できなければ、何もしない・・・。

完全にデイの職員が主役のデイの物語になってしまいます。

そうではなくて、それぞれの利用者が主役物語舞台がデイに移されただけのことです。

デイは利用者それぞれが主役物語が集合した舞台です。

舞台を提供してるんですね。

20人定員のデイであれば、20人の物語がデイという舞台で続いているということです。

そう考えると、各利用者がデイに通われている前後を見たり、各利用者がどんな思いでおられるかを想像したりして、各利用者の物語を続けていく支援がデイに求められているということが見えてきます。

Aさん昨日お風呂入った言うてはるんです。ほんとなのかな・・・?

Bさんレク嫌いやもんな・・・。あっ!あのレクなら出てくれるかな!?

主役の言動に対しての捉え方が変わってきます。

ここで大切なのは「決めつけない」ということです。

「お風呂に入った」と言われているけど、本当なのか?きれいに洗えてるんだろうか?と想像します。

レクが嫌いと言われているから全てが嫌いと決めつけず、もしかしたら好きなレクがあるかもしれない?やり方次第では楽しまれる?と想像するんです。

デイに来られている主役の皆様は、家の中とは違う「外向け」の顔であることが多いです。

主たる舞台である「家」とはまた違う顔がそこにあるはずです。

デイにいる間の主役の姿は、物語の中の一場面にすぎません。

主役は、それぞれに目標や目的をもってデイに来られているはずです。

その目標や目的は、一律に「入浴目的」「交流目的」と一括りにされがちですが、そんな簡単なことではないんです。

私たちが組織に属して仕事をする目的がそれぞれ違うことと同じだと思えばいいと思います。

介護が好きでやっているわけではないですけど、仕事なんでやることがやります。

介護って面白い!好きなことを仕事にできたら一番ですよね。

今は家のことが一番大事。落ち着いたら仕事も力入れます。

組織のなかで仕事をしている自分たちに当てはめれば、デイのなかで過ごしている利用者さんたちの見方が見えてくると思います。

みんな自分が中心に考えていると思いますし、自分の思いを分かってほしいと思っていると思います。

集団のなかの「個」を見るということはどんな集団でも一緒で、それぞれが「主役」でそれぞれに「舞台」があるということを忘れてはいけないんです。

「個」を大切にしたデイであればきっと利用者は心から「行きたい」と思ってもらえると思います。

そして、そんな難しげな話はさておき、何より「あの職員に会える」というのもデイに行く立派な動機づけになり、そうやって外に出ることが当たり前になっていけば更なる活動・参加へと導けていくことになると思います。

デイの職員は、主役である利用者が「会いたい」と思える人になるという魅力を備えるというのも大事な視点かなと思います。

通所サービスは、それぞれの主役の主たる舞台である『家』での暮らしを想像し、『家』での生活が続けられる支援を創造することが大切!
レクして交流して楽しんでいるだけがデイじゃないです。
そうした力を使いながらも、ちゃんと在宅に向けての支援をするんです!

どんな人が通所サービスに合ってるんでしょうか?

デイでの支援を「家」につなげることを想像し、創造できる!
想像力と創造力が豊かな人が向いているのかなと思います。
デイって元気で明るい職員をイメージしますが、大人しくても想像力・創造力豊かな芸術家肌の人はいろんな意味で活躍します。
創作活動なんかも充実しますよね!

24時間を知るショートステイは何でも屋?

ショートステイは、介護肩代わりのイメージが強いですよね。

家族の介護負担の軽減のためにショートステイを利用するみたいな・・・。

その役割は勿論大きいのですが、こんな目的もあるんだよってことを押さえておきたいと思います。

あくまで主役は利用者であり、その主たる舞台は「家」です。

その舞台はしばらくの間、ショートステイへと移ります。

まずは、「通所サービス」のところで書いたとおりのことがショートステイにも当てはまります。

ショートステイは、利用者それぞれが主役物語が集合した舞台です。

10人定員のショートステイであれば、10人の物語がショートステイという舞台で続いているということです。

そして、デイと違うのは、昼間だけでなく夜も含めて2日3日…と舞台が移るということ。

そして、デイがちょっと出かけるという感覚で、ショートステイは・・・

仕方なく泊まる?

ホテルに泊まる感覚?

家にいるよりいい?

デイと同じような感覚?

表面的には介護負担軽減という言葉しか見えてきませんが、主役である利用者の思いは実はさまざまで、そこに物語が見えてきます。

まずは、その物語を見ようとすることは大切で、そうすることでショートステイという舞台での関わり方が変わってきます。

ショートステイは、デイが交流の場であれば、ショートステイは生活の場といったイメージがあります。

そこで終ってしまっていては、物語の支援はできません。

交流を求めておられるのであれば交流を意識した支援を考えなければいけませんし、たまにはゆっくりすることを求めておられるのであれば、ショートステイ中ぐらいちょっと楽してもらおうかという支援があってもいいと思います。

そして、ショートステイにしかできない重要な在宅の支援があります。

それは、24時間を専門職の目で把握できるということです。

在宅介護の困りごとは、夜をどう過ごすかで解決することも多いですからね。

ショートステイでは、夜勤者が夜の状態を把握することができ、いろいろな介護をやってみることもできます。
24時間の介護のノウハウを在宅につなげることができたら在宅介護はもっと楽になるかもしれません!
ただの家族の介護負担軽減になりがちな事業形態なだけに、利用者が主役という軸をぶらさないことが大事ですね!

どんな人がショートステイに合ってるんでしょうか?

夜勤があるので、他の事業以上に体力は必要だと思います。
まだ施設になじんでいない認知症の方の場合は、慣れないうちに全く知らない場所で夜を過ごしてもらうことになるので、そこで認知症利用者と安心を作れるのは夜勤者の存在のみです。
そのため、関係作りが上手な介護士さんが力を発揮してくれます。
あとは、通所サービスと一緒で、「家」につなげることを想像し、創造できる力があれば言うことなしです!
夜も含めて介護の全部なので、介護の何でも屋のような人がいいですね。

まとめ

訪問・通い・宿泊。

在宅介護を支える3つの形態には、それぞれに違う専門性が必要となります。

ここに書いたことはあくまで私の個人的な視点でまとめていますので、もっと広い視野で捉えれば、もっと深い専門性が見えてくることと思います。

あくまで「利用者が主役物語を支援する」という軸で考えるということ自体に介護の専門性があるわけですが、在宅介護の場合は名脇役となり主役を引き立てるあたりにも特殊な専門性を見出すことができます。

そして、訪問・通い・宿泊のそれぞれのサービスにある専門性を考えていくと、介護の専門性の多様性が見えてきます。

だから、「介護の専門性はこれだ!」とならないんでしょうね(^_^;)

在宅介護に興味のある方は、この記事を読んで、自分がどの事業形態に合っているか考えるきっかけにしてみてください。

とにもかくにも、こんなふうに難しい介護の専門性ですが、箸休めにこんな記事を書いているのでついでにご覧になってください↓

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